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日曜日の渋谷

 今日も渋谷へ。春休みと日曜日のダブルコンボで若者がわんさかいた。久し振りに神南エリアに行ったら、遠目でも宮下公園がジャンクションみたいになっていてびっくりした。調べたら再整備中とのこと。

 最近はどんどん渋谷の街が様変わりしていく。代々木八幡駅も5年近い工事を経て新駅舎へと移行し、渋谷ではないけれど下北沢駅もとうとう井の頭線と小田急線の構内が分断された。井の頭線から小田急線に乗り換えたとき、小田急線構内のネオ感に呆気に取られてしまった。

 街が変わっていくのは、わくわくするような、寂しいような。渋谷はそれほど好きな街というわけではないけれど、思い入れのある東横線ホームがなくなったときは悲しかったし、取材に向かうときに緊張しながら歩いた歩道橋がなくなったときも少し切なかった。そのうち銀座線のホームも変わるのかな。新宿はこの先もそこまで大きく変わらないでいてほしいなあ、と願うばかり。

 まずはアンテナのインストアライブへ。本当は活動再開ワンマンに行く予定だったのがインフルエンザにかかってしまって断念せざるを得なかったので、ツアー前にインストアがあるなら観に行きたいと思っていた。

 最新アルバム『深い 深い 青』の楽曲含む4曲を演奏。電気は通ってるけどアコースティック寄りなアレンジで、CDやライブハウスとは違った趣があった。透明感のある音に、それまで渋谷の人ごみにいらいらしていた自分の気持ちがするすると溶けていった。底なしの深い深い青に沈んでいくような感覚だった。

 そのあとは空きっ腹に酒のツアーファイナルワンマンへ。わたしにとっては去年の『酔.ep』のリリースツアーのO-nest以来の空きっ腹に酒ライブで、ワンマンを観るのは今回が初めてだった。長尺ゆえO-nestの時には感じ取れなかったことがいろいろ見えてきて、バンドの本質を味わえた気がした。

 尖っててひねくれててひりついてて悪ガキで、なにより優しくてロマンチックで華がある。本編ラストの「夜のベイビー」では涙腺が緩んだ。レポートを頼まれているので詳しくはそこで書くとするが、喜怒哀楽すべての感情を揺さぶられた、熱のあるライブだった。

 ライブを観ている最中、インタビューで話してくださったことをいろいろ思い返していた。空きっ腹に酒にとって自主レーベルの活動は、音楽とバンドの距離をより近づけているのではないかと思う。お客さんの立ち振る舞いを見ていても、彼らのメンタリティをよく理解している人が多いという印象。ステージだけでなく、お客さんの姿を見ていても、胸にこみあげてくるものがあった。

 空きっ腹に酒もちかぢか配信やサブスクリプションを開始するそうだ。音楽の聴き方は変われども、ライブという場はきっとこれからもただただリアルで、誤魔化しのきかない場所なんだろうなと思う。

 良い日曜日を過ごした。やはりロックバンドはかっこええ。

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