#287 完走

僕が受験する早稲田大学の3学部は3日連続となっており、その期間に合わせて朝刊配達は休みにした。休みの日も行わなければならなかったチラシまとめの作業は特別に配達員が代わりにやってくれることになった。
配達員のリーダーの方が時折、僕が予備校から戻り、チラシ入れを行いにいくとやってくれていたことがあった。「普段、頑張っているからやっておいたよ。」との事で、とても嬉しくて心から感謝を伝えるようにした。
試験期間は実家に行き、そこから試験会場へ通った。
母に兄二人がいていろいろ話をしたり、ご飯を食べさせて貰いお風呂にも入ることができた。配達を気にせず、朝まで寝ることができたのも嬉しかった。普段より、リラックスして試験に臨むことができた。
初日が第二でき、これまでの成果を十分に発揮できた感触があった。最後の小論文に関しては川越校まで通った小論文ゼミで扱った題材が出題され、高い集中力で原稿用紙を埋めることができた。なんと制限時間10分前に終わり、改めて見直しをできた位だった。翌日の第一文学部を残してはいるが、充実感を感じ帰宅した。
翌日の試験も2浪生活の締めくくりとして、有終の美を飾りたい思いだったので集中する思いは途切れることは無かった。
そして無事、第一文学部の試験が終わった時言葉で言い表せない様な解放感に包まれた。これで勉強時間確保の為に時間に追われることから解放された。自然に顔がほころぶ位に嬉しかったし、ほっとした。まだ結果は出ていないがやるだけのことはやったという気持ちが強く、一切の悲観的な感情は無かった。いつもは暗い気持ちで埼玉に戻っていたが、今回は心晴れやかに戻ることができた。朝刊配達後、朝食を食べてから急いで予備校へ向かう必要もなくなった。
続く…

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