見出し画像

(読書記録)静かな雨

とても繊細な本だと思った。

作者は本屋大賞も受賞している宮下奈都さん。
彼女は既に何冊も本を出しているけど、この方の本を読むのは初めてだ。

たい焼き屋をやっているこよみさんと、主人公の僕、ゆきすけとの出会いとやり取りを描いた本作。

途中でこよみさんが事故に遭ってしまうところから、物語は大きく動き、話の中核となる。

思い出とは何かを問いかけ、毎日の何気ない生活に息吹を吹き込もうとしている僕。

彼の気持ちの機微さに、こちらも毎日が簡単に過ぎていく儚さと深さを教えてもらえると思う。

私にとっては、一度読み通すだけではこの本が持つ雰囲気や、やり取りの繊細さを全て染み込ませる事は難しかったが、繰り返し読めば読むほど、スルメイカの様に深みが増していくのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?