89.Y2Kの秘密

「ビル・ゲイツって意外と頭悪いんじゃないのか?」
 と、最近ぼくは思っているのだ。
 こんなことを言ったら、世界中の人にツッコまれるだろうなぁ。だってあのビル・ゲイツですよ。パソコンのマイクロソフト社を作った人。ウインドウズで世界中を支配した天才。コンピュータの申し子……。
 しかしぼくは、年末にかけてすべてのニュース番組で取り上げるY2K問題を見ていて「頭悪いんじゃないか」と思ったのだ。

 余談だが、またこの「Y2K」という略し方が身勝手だ。Yはイヤーのことだとすぐわかったけど、最初はKが何だかわからなかったもの。キロだったんですね。キロとは千のことだから、2000は2Kと書く(日本人の感覚だと、キロというのは距離とか重さの単位のような気がするが)。

 話はビル・ゲイツに戻る。いかに天才とはいえ、彼がコンピュータをいじりはじめたのはせいぜい1960年代だろう。あと40年やそこらで2000年になるとわかっている。なのに、たかだか40年先のことぐらい見通せなかったのかビル・ゲイツ? まるで先見の明がないじゃないか!
 だから「ビル・ゲイツって頭悪いんじゃないか?」と思うわけだ。
 いや、待てよ。ひょっとして、そういったことをすべて見越していたらどうだ?
 本当は気が付いていたのだが、あえて2000年について知らんふりでいる。すると、いざY2Kが問題になった時に、さまざまな関連ソフトの需要が新たに生まれ、さらに売り上げが伸びる。
 ……うーん、もしそうだとしたら、
「やっぱり、ビル・ゲイツって天才だな」

【モンダイ点】
◎同じ問題は西暦3000年の時にもおこるのか? ま、その時はどうなっていようと構わないが。

(ステラ/2000/1/6)

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