180.ベンチレポートと縄跳び

「こちら1塁側ベンチです。今お話のあった松井ですが、実は今日球場入りした時に……」
 野球だけでなく、スポーツ中継ではメインのアナウンサーとは別に、こんな風にグランドからのレポーターがいるものだ。ところが、レポートが入ったちょうどその時にゲームが動くことがある。メインのアナは当然、
「ちょっと待って下さい」
 と止めて実況に入る。スポーツ番組ではよくある状況だ。で、ぼくはこの中途半端になったレポートの行く末が気になってしょうがないのだ。
 伝えたかった情報は何だろう? 続きはどのタイミングで入ってくるのか? このまま忘れられてしまわないか?
 ……という内容面だけでなく、さらには、
 レポーターは出鼻をくじかれてムッとしてないか? それはメインとの力関係でしょうがないのか? では同期の場合は?
 ……と人間関係を心配し、さらには、
 あとで説教をくらうのか? それで出世が遅れたりしないか?
 ……と人事面にまで及んでしまう。明らかに余計な心配なのだが。

 先日、スポーツアナと話をした時に、そこらへんを聞いてみた。匿名希望のMアナは、
「野球の場合、一試合に3回はレポートするという暗黙の約束があります」
 で、レポートを入れるタイミングについては?
「それは任されてますが、難しい。ほら子供の時にやった縄跳びに入るタイミングがあるでしょ。あれに似てますね」
 なるほど。
 ちなみに、Mアナは縄跳びが下手だったそうだ。駄目じゃん!

【モンダイ点】
◎今後、スポーツアナの入社試験に、縄跳びの採用を進言する。

(2001/10/24)

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