175.前世は神主?

 夏になるといろんな番組で、お化けモノ、霊モノの特集をする。特番ならまだしも、本来そういうことに全然関係ない番組でも、無理やりにやる。特に若い女性タレントがゲストの時はね。ちょっと怖い話をするだけで「キャー!」と大声をあげてくれるから。そこへいくと男のタレントはねぇ……。

 霊ではないが、ぼくも以前、とある番組で前世を見てもらったことがある。
「幕末の、海辺の村の神主さん」
 というのが、その方の見立て(見立てとは言わないか? ご託宣? 透視? 霊視?)だった。
「なんで神主さんなんですか?」
「神主さんというのは、人々に知識を教える職業の象徴でして……」
「海辺の村、ですか?」
「海の向こうからは、新しい知識がやってくるでしょ」
「なるほど。幕末だからね」
「そうそう! 当時、外国から入ってくる新しい情報とか知識を人々に伝える……海辺の村の神主さんはそういった役割を担っていたわけで……、それは放送作家として人々に情報を伝える、今の藤井さんの仕事に通じるんですよ」
「なんと、ぴったり符号する!」
 といちおう感心はしたんですけどね。でも、それってなんか、話してるうちにだんだん具体的になってこなかったか? 最初から本当にそうわかっていたのか? それに、ぼくの仕事が放送作家だということを元々知っているわけだしなぁ……。

【モンダイ点】
◎ちなみにぼくは、自分の番組でお化け企画は絶対にやらない。なぜなら……怖がりだから。

(2001/9/19)

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