126.後継者問題

 すべての分野で、後継者の問題は重要である。これは芸能界においても同じ。たとえば、美少年アイドルグループの分野では、ジャニーズ事務所で後継者育成が順調に行われているし、関西弁お笑いコンビの分野では主に吉本興業でキチンと後継者が現れる。
 しかし、ぼくがこのところ気になっていたのが、豪華絢爛衣装タレントの後継者問題なのである。

 いるでしょ。ここぞという時、トンデモナイ衣装を着て現れる人。キンキラキンだったりヒラヒラだったりフリフリだったり、勢い余って電飾でピカピカだったりすることもある。
 金糸銀糸や宝石が「これでもか!」というほど織り込まれていて、小口径の拳銃の弾なら跳ね返してしまいそうな着物やドレス。もうほとんど横綱の化粧まわし感覚。見ていて気持ちいいほどの悪趣味さだ。
 かつて、こういうのは浮世離れした映画スタアとか、大物演歌歌手といった人たちが着ていた。
 しかしこのところの演歌不振のせいか、昨今こうしたキンキラ派の旗色が悪い。ここ十年ばかり小林幸子と美川憲一が頑張ってきたのだが、さすがに最近疲れが見える。
 ここもまた後継者難なのだ。農業や、鷹匠や、江戸切子硝子職人などと共に、芸能界においてはキンキラキン衣装タレントの後継者難!
 しかしそんな中、ついにやってくれたのが扇千景大臣だった。いやぁ、まさか小林幸子の後継者(年齢は逆だが)が国会にいるとは思わなかった。

【モンダイ点】
◎叶姉妹は衣装よりも己の肉体を顕示するタイプだから違う。では誰の後継者なのか?

(ステラ/2000/9/27)

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