116.エキゾチックやなぁ

 さっそく「ベガス帰り」を持ち出してイヤミだが、ラスベガスで話題のステージ「O」(フランス語で水という意味。オー・ド・トワレの、あのオーを一文字で表している)を見てきた。
 これはサーカスとシンクロナイズドスイミングが合体し、そこにゆるやかな物語を持たせたもの。ハリウッド的ダイナミックな演出が施されていて、非常に素晴らしい!!

 全編を貫く色付けはエキゾチシズム。かつてギャンブル一辺倒だったラスベガスは、アメリカ人の南欧や南太平洋への異国趣味を刺激するホテルを林立させたことで、現在のファミリー向け観光地となった。そのアメリカ国内の観光客はもちろん、世界のどの国から来た観光客にとっても「異国」であるように作られているショーが「O」なのだ。
 18世紀フランス(さすがにフランスだと、過去にしないと異国にならない)と中国、ポリネシア。中東、インド。東南アジアのケチャ(芸能山城組ですね)、ブルガリアンボイス(東欧)、ケルト音楽(北欧)、それに日本の声明もどき……が渾然一体としたステージ。当の異国であるはずの日本人も、そこにエキゾチシズムを感じる。

 ところで、ホテルのテレビで見た「ポケモン」はもちろん日本製のアニメなのだが、エキゾチシズムのカケラもなかった。(日本でも「ポケットモンスターアンコール」として放送されている)。
 現在の日本文化は無国籍だから、ビジネスとして成功したと見るべきか。

【モンダイ点】
◎毎度引き合いに出される中東や南太平洋の人々は、どの地域に対し「エキゾチックやなぁ」と感じるのか?

(ステラ/2000/7/12)

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