135.選挙監視団

「なんだ、なんだ。選挙ってのは公正なはずだろ。ちゃんとやれよ!」
 と、今回の米大統領選フロリダ州の騒動について、さぞや怒っているだろう。アメリカ国民が? ブッシュが? ゴアが? いや、それもそうだろうが、ぼくが心配しているのはそうじゃない。カンボジア国民が怒っているのではないか?
 だって、当確を間違える、数え直すと有効票数は増える、投票用紙の不備は指摘される……と、けっこう選挙がいいかげんじゃないか。民主主義の権化を標榜しているアメリカでしょ。かつて、その権威を振りかざして、カンボジアに選挙監視団を送ったくせに(ま、いちおう国連としてだったと思うが)。そのご本尊の選挙がこのていたらく。
 今こそ、カンボジアからアメリカに選挙監視団を派遣すべきではないか!

 しかし、何ごとからも学ぶべき点はある。
 元々、米大統領選なんてポンポン持ったチアガールが飛んだり跳ねたりして、祭りとしての一面が強い。この騒動で、アメリカ国民は祭りの期間が一週間増えたような盛り上がりだ。また、選挙に対する海外からの注目度も急上昇した。
 この手法は、ここんところ注目度が下がった年末の賞レースに応用できるのではないか?
「レコード大賞は、不在者投票分の集計によって当確が逆転!」
 あるいは、紅白歌合戦の最後で、
「赤白の票差が0・5%以内なので数え直し!」
 と双眼鏡による目視ではなく、NHKホール内を一人ずつチェック。これは盛り上がるぞ!

【モンダイ点】
◎数え直してる最中に年が明けてしまいそうだが。

(ステラ/2000/11/29)

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