220.練習風景

 W杯の熱狂が終わり「今こそJリーグに注目を!」と言われる。で、スポーツニュースを注目しているのだが、時に映るサッカーの練習風景というのは、あれはなにかヘンではないか?
 たいていみんな一列になって、ランニングだかスキップだかわからない走り方でぴょんぴょん跳び跳ねながら、両手を左右に振って右を見たり左を見たりしている。

 我々が思うスポーツの練習とは、野球ならば泥と汗で汚れたユニフォームで「あと10本!」なんて叫んでいる千本ノック。相撲ならば汗で髪が額に張り付いた力士がガツンとぶつかり、土俵にゴロリと転がされ、その背中に泥がつくぶつかり稽古。つまり『汗・泥・ヘトヘト』の三点セットなのだ。
 なのに、サッカーはスキップしつつ両手フリフリなのだ。選手たちもどこか照れて、にやにやしている。『汗・泥・ヘトヘト』ではなく『スキップ・フリフリ・にやにや』の三点セット。

 たぶん大腿二頭筋とか大内転筋とかになにか有効な作用があるのだろうが、日本人の感覚であの動きは練習とは言わない。どちらかというと「おゆうぎ」に近い。みんな胸にビブスをつけているのが、よけいに幼稚園っぽいし。
 あの動きがもう少しゆっくりになると「盆踊り」も連想される。両手を振っているところへ「ヤーットナ、ソレ」なんておハヤシをつけると合いそうだ。さすがサンバの国ブラジル。サッカーの練習にもダンス感覚が取り入れられているのか?

【モンダイ点】
◎サッカーは泥まみれではなく芝まみれなのか? 庭の芝刈りの途中みたいで、これまた練習風景に見えない。

(2002/8/7)

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