185.お知らせがあります

「では最後に、ゲストの**さんからお知らせが」
「はい。今度**劇場でお芝居があります………」
 トーク番組などでは、たいてい最後にこういう話題になる。
 映画公開、新曲リリース、本発売、ライブ、芝居、個展……などなど。総務省の調査によると、番組にやってくるゲストの83%はなんらかの「お知らせ」を持っているという(←嘘)。しかも、そのお知らせの97%は番組オンエア日から一ヶ月以内の出来事という調査結果も出ている(←大嘘)。さらに、気象庁によると、夏休み前やクリスマス前あたりに「お知らせの特異日」があるという(←大嘘……だと思う)。

 しかし、お知らせがないタレントさんの場合はどうするのだろうか?
「困ったな。俺、こんどテレビのトーク番組に出るんだけどさ。ほら、最後にやる『お知らせ』ってやつがないんだよ」
 と悩んだりして……。
「別にいいんじゃないの」
「そうはいかないよ。お知らせがないと、ヒマそうでカッコ悪いじゃないか。近々、何か予定なかったかな?」
「そうねぇ……あ、ほら。もうすぐ、お爺ちゃんの三回忌があるわ」
「そんなもの全国の人に知らせてどうすんだよ!なんかないかな……」
「ないわね」
「しょうがない。そのために、舞台でもやるか」
 ……なんて?

 生物学においては『タマゴが先かニワトリが先か』というのが永遠の謎だが、番組においては『出演が先かお知らせが先か』というのが永遠の謎なのである。

【モンダイ点】
◎作家の場合も「近況」を聞かれて、困ったりするんだよなぁ……。

(2001/11/28)

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