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子どもから教わること。

以前、ピアノの先生が話してくれました。

彼女はピアノを教えていてあることを思っていました。だいたいの子供がいつの同じところで間違える難しいポイント。
“どうしたら子供たちは間違えないようになるのだろう”
と日々考えていました。

日頃から子供たちが、楽しくレッスンでできるようにゲーム感覚で楽しめる教材をあみだしたりすることがとても得意な女性です。

しかし、ある日ふと
“ん?私自身が「間違える」と思っているから間違えるのでは?”
と頭に浮かんできたそうです。
なんでも試してみる好奇心旺盛な先生なので、問題の箇所のことは気にせず、レッスンに取りかかりました。すると、間違える子供は大幅に減ったそうです。これには彼女はとても驚きました。

またある日、旅をする茶人と話をしました。

彼は自分で茶器も作るので、陶芸を教えるために養護施設に出入りしていました。

そこには全くひとりでは何もできない男の子がいました。話もできない、服も着れない、食事も取れない、etc…。彼はそんな男の子を“意思疎通の図れない「ただ生きてくだけ」の子供”と認知していました。そんな男の子をさして気にもしていませんでした。

ある日、その施設で海水浴に行くことになり、彼も同行しました。
やはり夏に海は誰でも嬉しいものでみんな一目散に海へ走って行きました。
彼は海の家でゆっくり支度していると、ふと視線の先に例の男の子がポツンと。彼はどうするんだろう、と男の子を見ていると、、、
なんと男の子はひとりで着替えだしました。彼はびっくりして「お前、ひとりでできるのか!?」と思わず声をかけてしまいました。すると彼は「みんな着替えさせたそうだから」と言ったのです。彼は話すことも出来ないと思っていたので、口を開いた時にさらにびっくりしました。

その出来事をとても興奮して私に話してくれました。そしてとても反省していると。
「私は、彼を本当に何もできない、もしかしたら人とも思っていなかったのかもしれない。本当にひどいことを思っていた。いろいろなことを見直さなければいけないのだなと、彼に教わりました。」

子供は大人が思うより、大人の話を聞いているし理解している。無意識に大人の心を感じとれる。ただ、小さいがゆえに使える言葉も少ないから表現ができないだけで、そんな能力は確かにあったと思う。大人になるにつれて言葉と交換に忘れていってしまうのかもしれないけど。

子供を侮るなかれ、
かつて子供だったオレへ。。。

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