薄荷のせいです。遠ざかる春
青は青でも薄く緑のまじった、うす青。 一番はじめにタイに行ったときに、土地勘もないまま路地裏に入り込み、 ホテルのあったフワランポーン駅からヤワラート(中華街)に抜けていく道で見た、 うす青の扉。 このときは金物屋さん然とした雑貨屋で、何にも通じないまま、家人は身振り手振り店の人と話していた。 青パパイヤのサラダ『ソムタム』用に大きなすり鉢が欲しいと言って。 ニンニク、ライム、タイ唐辛子を叩きつぶし、塩をふり、ナンプラーをぴゅっとふりかけ、辛味と香りをたて、最後の
三度のタイでの日々を思い返したり いつでも読みかけの本、散歩のかわりの気まぐれな映画鑑賞。 一ヶ月限定(であればいいという希望をこめて)の 家にこもる日々。 ぽっかりあいた空白のような、 後から振り返ればずいぶんトーンの違う、 今年の、今だけの春から初夏の色の記録。