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ほったらかしたら勝訴した話#2

続きです。

前回はこちら↓

待ち合わせの駅にて。
彼は改札前で待っていて、すぐにわかった。
でも近付くまでは全然気付いてないフリをした。下を向いて、Suicaを改札機にあてながら、深呼吸。

私よ、落ち着け。
はあはあはあひあはあはあえひあひあひひあひひひひひひひひはひぇーー!ー!ー!

無理。好き。はあはあはあはあ(ヤバい奴)

っていうのを、ひた隠ししながら彼の元へ。
彼も下を向いていて、目を合わせないまま遠くを見て歩き出した。
今回はあまりにも近所で落ち合った為、私たちは目的地までは別々に歩いて向かったのだった。

彼の後ろ姿を数メートル離れて追いかけながら、これは夢ではなかろうかと、何度も何度も思った。どうやら夢ではない。


約三ヶ月ぶりに会えた。


でも不思議と以前ほど心は踊らない。何故だろう。大好きなんだけど、すこし複雑。
放置された恨みと、待っていた間に幾分か冷めてしまった気持ちと色々で。でも大好きで。


実際に目を見て言葉を発したら、私はどうなるのだろうか。彼もまた、本当に気持ちは変わってないのだろうか?ただヤリタイだけなのかもしれない。信じられない。まだ。

とりあえず話してみないと。


部屋に入っても、お互いに少しソワソワ落ち着かずにいた。
手を洗ったり、設備を確認してみたり、バスタオルはこことか、ハンドソープがないとか、それぞれ無駄なことを言って、無駄にうろついて、すぐには近づかなかった。

少し照れ臭いのとか、彼の方は気まずいのもあったのかもしれない。

でも、居る。
あんなにも恋焦がれた人が同じ空間に居るのだ。

そう思うと私はいっぺんに胸が熱くなった。

不安で眠れなかった3月。
涙で溺れた4月。
もういいやと立ち直った5月。

この春の私はマジで頑張った。
よくやったよ、私、、、。

謎の感慨深さを噛み締めながら、


もうだめだ我慢できまへんえ!!と私から近付いて、

ガシッ!!!!



彼を抱きしめるどころか、もはやしがみついた。


(ほんとは泣きそうだったんだよ。)

笑って受け止める彼。
強く抱き締め返された。


会いたかったよ。


絞り出した私の本音。


うん。ごめんね。
うん。そうだね。
うん。俺も。


実は、彼がこの時何て答えたかは覚えてない。
とりあえずこのようなことを言ってたような、言ってないような、無言だったような、
もうわからないけれど。必死だったからね。

女性にしては背の高い私よりも、 更に背の高い彼の顔を見上げて、最初はもったいぶるように頬を合わせた。そして首筋に顔を埋めて彼の匂いを吸い込んだ。

これ、この香り。こうしたかったの。

暫く強く抱き締めあった後、また頬をこすりつけて、そしてどちらからともなく唇を重ねた。一度唇がくっつくと離れない。相手を求めて私たちは獣のように貪った。もはや食べ尽くしたい。


この時、何となく「くちびるから魔法(マジック)」とかいう昔あった漫画のタイトルを思い出していた。

魔法のように、キスだけで伝わってくる何かはあったから。私の心は溶けていく。口づけを交わしていく中で、彼が三ヶ月前に会った時と変わっていないことは判った。

でも、まだ、何も聞けてない。



はーーうあーーーーーーー!!

やっぱりまとまらないので、#3へ続く。

まとまらない。全然まとまらないんだよ!
そしてコレ、果たして面白いんか?大丈夫か?


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