メルマガ　２０１５年　２月　４日

　笑える～こわい話　第３７号　発行　アメージュ
ブログでは語れない真実をお届けするメールマガジンです。

目　次
（１）紗依のここだけの話「時計」
（２）編集後記

紗依のここだけの話　第３７回「時計」

幼いころ、習い事をしていたために子供用の腕時計を着けさせられた。それは赤いバンドのおもちゃのような物だった。
もともと腕時計にはまったく興味がなかった私は、いつしかその腕時計をなくしてしまった。

それから月日が流れ、高校を卒業するとき、とても気になっていたブレスレット型の腕時計があった。それを宣伝していた松田聖子に惹かれて、どうしてもほしかったというのが正直なところだが、めったに何かをおねだりしない私だったから母は文句を言わずにあっさりと買ってくれた。

お気に入りの腕時計。私はその腕時計を嫁入り道具のひとつにしていっしょに嫁いだ。その腕時計だけ、いつでもいっしょの生活をしていた。　今思うと、生まれてから実家以外で生活したことがない私は、初めて嫁いだ先で軽いホームシックにかかったから、いつでも母といっしょのような気分もあったのかもしれない。