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よき表現者を目指して・3

声楽家の小暮沙優です。生き方の基盤として、よき表現者であることを目指しています。その先に、小説執筆を仕事とすることを目指しています。

3月の末から始めた週報シリーズ・「よき表現者をめざして」(改題しました)。今回で3回めとなりました。積み重ねてくると、少しずつ新しい景色が見えてくるのがとても面白く、心地良く感じています。


今週の振り返り

小説「メタモルフォシス」(毎週月曜日更新)

第2話を更新しました。もともとこれは、2020年に公募に提出しようと思って書いていたものでした。当時、歌の仕事をすべて失い、なにも出来ずに毎日を過ごしていた中で、小説に向き合い直した時期でした。そういえば、この頃も毎日ずっと書き続けていました。

主人公の壱子は、スペイン料理を提供するファミリーレストランの企画開発部に勤めていた女性。現場を知るためにと派遣された都内の北西にある北三日月町店の店長にもなって、会社のために働いていましたが、ある日突然はしごを外されてしまいます。そんな時に襲われた、世界的なツァイトウィルスの流行。飲食業界は打撃を受け、壱子の会社も早々といくつかの店舗を閉める決断をします。その中に、壱子の勤める北三日月町店も含まれていました。

すべてを失った壱子が、どのように新しい人生に向けて自身を変容させていくか。「メタモルフォシス」では、その過程をゆっくり描いていきます。この小説の執筆を通じて、私自身も様々なことを学びながら、自身を変容させていけたらと願っています。

音楽エッセイ「音の旅」(毎週水曜日更新)

第2回を更新しました。今回のテーマは、「呼吸」。歌には欠かせない呼吸、いえ生きていくうえで欠かすことのできないのが呼吸です。

穏やかな、朗らかな呼吸が基本。吸う息は欲張りすぎず、体に自然に入ってくる分だけを取り入れるように心がけます。体のどこかが緊張していたら、それは吸い込みすぎというサイン。欲をかかず、必要な分だけ取り入れて、そうして不要になったものは吐く息と共に手放していきましょう。

おかのきんやさんとのZOOM面談

火曜日に、おかのきんやさんとZOOM面談させていただきました。このお時間が、大きなターニングポイントとなりました。

おかのさんも記事にしてくださいました。ありがとうございます!

小説執筆を仕事にしたい。そのために小説家として商業出版したい──という目標について相談させていただきました。「趣味」と「仕事」の違いについてや、出版社の現状などなど、ものづくりを「仕事」としていく上での様々なことについて、真剣に対話させていただけて、とても楽しく実り多いお時間でした。本当にありがとうございます。

その上でおかのさんからいただいたアドバイスが、「よきクリエイターであることを、まず心がけるのはどうでしょう」というものでした。全くもって、その通りだと自分の曇った目を反省しました。また無意識のうちに、早く結果を出さなければならないという焦りも湧き上がっていたことにも気づくことが出来ました。

今年度の公募は見送り、まずは今年は表現の基礎体力を上げる一年とします。それと同時に、自分の適性に合った表現のテーマを明確に理解していきたいと願います。そして、好きな作家さんの作品や公募の傾向などをあらためて分析した上で、次年度以降の応募に向けて構想を練っていきたいと思います。この週報シリーズも「よき表現者を目指して」に改題して、積み重ねていきます。

こうやって整理することが出来て、だいぶ落ち着くことが出来ました。前々から「今年は療養の年にするぞ」と決めていましたが、このところ心が前に行き過ぎていて、すこし張り切りすぎていたことも反省しました。心と体のバランスをうまく取りながら、表現と共にある暮らしの基盤をつくる2024年度にしていきたいと願います。


声楽家としての本分に立ち返る

おかのさんとの対話を経て、書くことへのはやる気持ちがいったん落ち着き、目の前の歌うことに心が戻ってきました。

声楽家としてこれまで歩んできた道や、築いてきたレパートリーを棚卸しして、これから育てていきたいレパートリーや音楽活動を概観することが出来ました。

あらためて、いま向き合う作品をもっと深く掘り下げたいと願うようになりました。4月25日に歌わせていただく、シューマンのリーダークライスOp.39をよりよいものに出来るよう、あと2週間つとめてまいります。

歌う自分を、知らず知らずのうちにないがしろにしていたのかもしれません。もっと自分の内なる声に深く耳を傾け、よりよき自分を育てていきたいと願います。


「書く」自分と、「歌う」自分の仲直り

これまでの人生、なにもかもが対照的な「書く」自分と「歌う」自分が、ずっと陣地争いをしてきたような感覚があります。

いま書きながら気がつきましたが、内面に深く向き合い日々のルーティンを好む「書く」自分はASDとしての特徴、外に出ていきたいと願いフットワーク軽く動き回る「歌う」自分はADHDとしての特徴だったのかもしれません。これはあくまで個人の感覚ですので、あしからず。

ずっとこの対照的なふたつの自分に引き裂かれて、苦しんできましたが、いまようやくこのふたつの自分が仲直りを始めたのかもしれないと感じています。お互いそれぞれにやりたいことをやり尽くしてきて、ひとつの破綻が訪れて。その後、静養の時期を経て、お互いにとってのいい落とし所を探す調整の時期に入ったのかもしれないと感じています。

来週は、ふたつの自分の仲直りを見守る一週間にしたいと願います。どんな日々になるか、楽しみです。


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