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わたしの中の「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」完 ~野音【三つ】の振り返りと終了後の向こうに祈っていた日々~

2020年10月22日音楽文掲載文章です

そう、あの日幸運にもわたしは日比谷野外大音楽堂に入ることができた。
初めて参戦した「新春ライブ2020」では大阪フェスティバルホールの3階の後ろの石くん側の端のほうで笑ってしまったが、今回の野音もCブロックの最後列の一番端っこという一生に一度あるかないかも。と、いう貴重なお席でまたもや笑いながら(マスクは2枚重ねで念入りに飛沫防止に努め)現地入りした次第であった。

「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」開催から2週間、今年の野音は前例のないたった1日限りの特別な想いが宮本さんの中にあったのではなかろうかと勝手に考察しながら、また、勝手にわたしなりの視点で、わたしの中の「エレファントカシマシ日比谷野外音楽堂2020」全体を【三つ】振り返ってみたいと思う。

特に語彙力もなく、しかも、わたしは活字が苦手なのだ。
そんなわたしにどれほどのものが伝えられるのか。
たくさんの方々の多才な文章に、何度も自分の表現力の乏しさに打ちのめされる。
むしろ怖いくらいだ。
しかし、恐れずにわたしはわたしの言葉で出来ることを表現していこう。
ひとりでも読んでいただければ…。
わたし自身の想いも含めて特別な年に開催された「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」の記録と共に綴っていこう。

【一つ目】
たくさんの方が言われることであるが、今回はEPIC期の古い曲をセトリに選んでいた。
ファン歴の浅いわたしの場合はまだまだ初期の曲を知らなかったので、野音の当選が決まってから、とある配信サイトでエレファントカシマシ全曲をランダムに耳に入れて予習をしていた。
曲名がすぐに出てこなくてもどこかで「あぁ、聴いた!聴いた!」思い出せるように、時間のある限り聴いていた努力の甲斐があってか、結果、予習の効果はバッチリだった。
『「序曲」夢のちまた』『名も無き一夜』『無事なる男』は、正に効果てき面であり、野音前からもこころに残る曲たちであったので、今回セトリに入ったことを個人的にとてもうれしく思った。

また、わたしは初期の曲を今の50代の宮本さんの声で聴きたかった。
何故なら、宮本さんが初期に作り出した歌たちは世の中に向かって、少し斜に構え怒りや嘆きや悲しみや切なさが「当時の今」を感情に揺さぶられるまま歌い、ちょっと小生意気な「若次」に浸透されて、それは今もCD音源で生きているが、今、時を経て良きも悪きも経験をして、体の内も外も熟練された宮本さんの語りかけるような低音と伸びやかな高音の音域の広さに、その後に培ってきたであろう美しい日本語の発音や母音の響きを当時の重く張り付いた旋律に乗せて、当時のことを思い出すかのように重ねて、少し余裕を持った大人な宮本さんの声で初期の曲がどのくらい変化しているのかをこの耳で実際に聴いてみたかったからだ。
それは1曲2曲位でも充分なのに、初期の曲たちの化学反応たるや想像以上であったし、時代に関係なく色褪せることないココロに響く歌をもっと老若男女たくさんの人たちに聴いてもらいたいと強く切望した。

是非、今の声で。

本当に沢山のEPIC期の曲を聴くことが出来ていきなり希望が叶ったわたしの野音でもあった。

【二つ目】
「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」セトリについて。
わたしはうっすらと二つのテーマを思いながら当日聴いていた。

ひとつは「部屋の中」である。
元来宮本さんの曲には「部屋」を題材にした曲はたくさんある。
『部屋』という題名の曲もあるくらいだから、毎回ライブには欠かさずセットリストには入る。
今回の部屋がテーマの曲は前半にしたためられていた。

『「序曲」夢のちまた』
『DEAR OR ALIVE』
『名も無き一夜』
『晩秋の一夜』
『月の夜』

わたしにはこの部屋の中によるテーマは外的要因による「家の中での自粛」になぞらえて並べられたのかと考えた。
歌詞の意味というよりは宮本さんが曲の紹介の時にしきりに「部屋の中」と、言われたことが気にかかったからである。
そういえば、宮本さんも自粛中は普段考えないことを考えたと、Eテレの番組で言われていましたね。
何を考えておられたのかな?

ただ、「部屋の中」で籠っているわけでない。嘆いているばかりでない。
宮本さんお約束の「それじゃだめなんだ!やらなきゃならないんだ!」と鼓舞していることも忘れていない。

『Easy Go』(♪立ち上がる を3回も言っている。)
『地元のダンナ』
『無事なる男』
『パワー・イン・ザ・ワールド』

これからもやることはあるはず。
ようやく社会が動き出した今だからこその想いもあったのだろうか。

何かをやらねばと。

宮本さん自身も1日1曲昭和の歌謡曲をカバーすることを課していたことが重なる。

もうひとつのテーマは「男」である。

『無事なる男』
『珍奇男』
『かけだす男』
『男は行く』
『待つ男』

例年より少し多めかな?
それも、『かけだす男』以外EPIC期のTHE・男が揃った。
それにしても、例年より何故「男」が多く選ばれたのか。それは、ソロの宮本さんが関係しているのだろうかと頭に浮かんだ。

11月18日発売が発表されたカバーアルバム「ROMANCE」は全女性アーティストのカバー曲であるからにして、ソロ・宮本浩次は「女性」の「主人公」をこころに落として歌っている。相対してバンドでは「男」のこころを男の「主人公」を選んだのだろうか。

野音で宮本さんが言われておりました。
「ソロで『木綿のハンカチーフ』を歌っているけど、野音で『晩秋の一夜(男ではないですが)』を歌えたことが素晴らしい経験。」と。
何かしら意識はしておられるのでは?
「男」の曲を並べることでソロとバンドの光の違いを感じていたのだろうか。
見方を変えると「エレファントカシマシの宮本浩次ここにあり」とも言える。

そう考えると、野音開催にも色んな意味があるのだなとしみじみ思ってみたり、野音はエレカシ宮本さんの顔だし、ソロはソロ・宮本浩次の顔だなぁ…と、ふたつの宮本さんの顔を比較しながら野音を楽しんでいるわたしが日比谷にあった。

セトリ全体の流れを見てふと思った。

今の現状。そして、これから未来へ。
過去を振り返るのではなくて今と未来を取り上げた曲でまとめられたセトリであったと思う。それと、いつものようにこれからもやってやろう。という強い気持ちも含まれている。

『友達がいるのさ』で宮本さんが言っていた。

「前にも斜めにも後ろでも構わない。」

かつて水前寺清子の『三百六十五歩のマーチ』で
♪一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩さがる
と歌っていたように。

それでいいんですよね。
後ろに下がる勇気も必要なんだ。
臆病者でも構わない。
いったん下がって、また前に進めばいい。
前へ、前へ、前へ行こう。
生きていこう。

コロナ渦の中の現状と勇気を持って開催された

「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」

普段から時事に関することは口にはされない宮本さん、とにかく全身全霊で歌うことで我らに伝えてくれる。いつも通りの変わらない姿勢と、

「また会おう。」

いつもの宮本さんの言葉が、いつまでも、いつまでも響いていた…

こうして、2020年10月4日夢のようにライブは終わり、

続いて、2020年10月7日配信されていたアーカイブも終了した。

【三つ目】 
今は「The Covers」で2週連続「宮本浩次ナイト!」で『ロマンス』『化粧』などが初披露されて話題沸騰中、野音後の楽しみにわたし達ファンのワクワクは止まらない。

しかしながら、わたしの中の「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」まだ終わっていなかった。

出演者、スタッフの皆様、中に入ったファン全ての人の誰もに何事もないことを、少なくとも2週間は様子を見ないではいられなかった。

その結果がもたらされて初めて「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」の「終了」と「成功」があるのではないか。

わたしは、どうしても次に進めることができなかった。どう考えても勝手な思い込みだ。けれど、何事にも結果はどこかでついてくる。それらを見て次の宮本さんの歩みに注目したかった。その「成功」ありきで次のステップが決まっていきくであろう。

SNSでは同じように考えているフォロワーさんの呟きも結構見られて、やっぱりライブの本当の「成功」をひそかに祈りこの2週間を過ごしていたんだと気持ちを共有出来て嬉しく思っている。口を揃えて言っている。

「野音成功ありきでバンドもソロも次にステップに弾みがつく。」

もちろん、どの時点で「成功」と言えるのかはわたし達ファンがが決めることではない。
しかし、そんな「待機期間」は運営側も見守っているはずだ。

そこで、わたしの中では2週間経過か、オフィシャルさんからの何らかの通知、もしくは宮本さんが「写真日記」を更新し野音に触れてくださればと、無事に終わったんだと「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」の「終了」と「成功」をひそかに喜ぶつもりでいた。

なので、

2020年10月18日(日曜)から、間もなく日付が変わる。

わたしの中の「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」は無事終了した。

野音の無事終了と成功、おめでとうございます。

残念ながらチケットをGETできなかった方達、仕事や家庭等の事情で長距離移動することを考えチケットも申し込まない英断をされた方達のため、今回は配信やアーカイブで楽しんだたくさんのファンがいる。

様々な方法を模索いただいた運営の方たちにどう感謝すればいいのか、わたしには今、言葉が浮かばない。
これから先、エレファントカシマシ、ソロ宮本浩次、そして、エンターテインメント界においても、ライブが少しでも多く開催されるよう、わたしは引き続き祈り続けよう…。


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