さゆり。ニューヨークで生きる。

Creative Director 12年前にフラッとニューヨークに来て、そのまま住み…

さゆり。ニューヨークで生きる。

Creative Director 12年前にフラッとニューヨークに来て、そのまま住み着いて、子供も産んだ人。 ずーっと、ファッション業界にいたけど、数年前に違う業界へ。 日々の生活、ニューヨークのこと、衣服のこと、留学とかビザ、出産や子育て、チョコレートのことを書きます。

最近の記事

物には全て住所がある。 整理整頓のすすめ。

オフィスでも家でも、何を探してるか言ってもらえれば大概のものはどこにあるか伝えることができる。 それは私は全部物には住所があると思ってるから。でも最近他の人はその住所を作らない人がいることも知った。たぶんこれは母からの譲りで、私の実家はショールームと言われるくらい整理整頓が行き届いている。(悪い言い方をすると、生活感があまりない。) その環境で育った私はどこにいても片付けることが当たり前になっている。ちょっと病的なほどに。 私の家は実家のようではないけれど、行き場所のない

    • 肌に触れる布。妊婦。

      私ごとですが、今妊娠6ヶ月。肌が今まで以上に敏感になり、着るものにとても気を使う日々を送っている。 今までも肌に直接あたるものは基本的に綿100%のものしか着なかったのだけれど、新たな発見があった。縫ってる糸は綿100%ではないことが多い。ストレッチする必要があるからかもしれないけど、縫い目に化学繊維を使っていたら、当然肌の感じ方は違うわけで。痒い。 新しい服を買うにしても今時化学繊維を全く使っていない服で可愛いものを探すのは至難の技。妊婦でおしゃれするのが難しいと改めて

      • 休息、休むとはどういうことか。

        一人暮らし二日目。皆にゆっくりしてね、自分のために時間使ってね。って言うけれど、今妊婦だし、20代はがむしゃらで忙しかったし、ここ4年間は子育てしてたし、時間の制限がなく一人で過ごすなんてもうしばらくしてないから、何をすれば自分が休めるのかわからない。 とりあえずは今日は朝9時半から映画を見に行って、大好きな片桐でおにぎりを買ってグランドセントラルのベンチに座って食べ、その後友人と会って3時間話して帰ってきた。 でもこれも果たして休んでいるのだろうか、目的や目標を持って動

        • なんでニューヨークにいるの?

          お久しぶりです。 夫と息子が3週間、家にいないので、毎日を充実させるため、あまりダラダラしないようにするために、この3週間毎日noteを書いてみようと思います。さぁ、続くかしら。 なんでニューヨークにいるのか。 この2、3ヶ月で結構聞かれる質問でした。アメリカに長く住んでいるとこの質問を受けることはもうあんまりなかったので、とても聞かれたことが印象に残りました。引っ越したアパートの下の階に住んでいるおばちゃん、甥っ子、クライアント、息子のお友達のお母さん。 多分、今私が

        物には全て住所がある。 整理整頓のすすめ。

          器用貧乏でよかった

          きよう-びんぼう【器用貧乏】 なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。また、器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分ではいっこうに大成しないこと。 さゆりちゃんって器用貧乏だよね。って一時期すごく言われることが多かった。しかも歳上の人から。 だから、専門的じゃなきゃダメだって、自分がすることを狭めたし、そんな立場でもないのに、仕事を選んだ時期がある。 その時は性格特に、悪かっただろうなーと思う。ツンケンしてたというか。

          衣服で満たす必要がなくなった自分

          5年間働いたファッションの会社を辞めて転職しました。 ふらっとファッション業界で働き始めてから14年、業界を変えることをは私にとって大きな決断でしたが、とても自然な流れでした。 一番大きな変化は、衣服で満たす必要がなくなった自分、に気づいたことです。 今まで衣服は自分にとって、自分の外側の殻で自分の一部でした。 自分がどういう存在でどんな人間かを確認する要素の一つであり、 社会でどんな存在か、その私という輪郭をはっきりさせるための、 殻であり鎧であったと思います。 それ

          衣服で満たす必要がなくなった自分

          今だから、もっと強い自分になるために

          ニューヨークは3月16日ごろから隔離生活。隔離生活といっても、生活必需品の買い物には行けるし、バックヤードで息子とピクニックもしてるし、落ち着いた生活を送ってます。この生活が長引くことを覚悟して、どうしたら充実して少しでも家族と笑顔でいられるかを考えて過ごしてます。 私がこの隔離生活が終わった時に、さらに最強のアートディレクター、最強の母になるためにしていることのリストです。 1、何かしなきゃと思うことをやめる。 私の会社は3月16日からテレワーク。今までなかった時間がで

          今だから、もっと強い自分になるために

          したことないこと、してみる。

          自己紹介 文化学園大学を卒業と同時にニューヨークに来て、9年。 一年だけのつもりが、その年の最後に今の夫に会って、ニューヨークに留まることに。 最初は何のスキルもコネクションもなかったけれど、もがいた結果、今はNYのファッションブランド、でアートディレクターとして働いています。 そこにたどり着くまでの話や思いは、また別のところで書きたいと思います。 Noteを改めて自分のことを書こうと思ったのは、 今まで自分がしたことないことを初めてみようと思ったから。 シャイだし、

          したことないこと、してみる。

          10、輪郭を確認する服、なぜ人は服を着るのか

          私たちは自分の体のほとんどの箇所を見た事がない。例えば背中。鏡ごしに見た事があってもそれを直接見た人はいないだろう。私たちは自分自身の体に対して、とても曖昧なイメージだけで生きている。 服を着るとその擦れ具合によって自分の体の輪郭を確認する事ができる。 服を着ると、身体を動かすたびに皮膚が布地に擦れる。身体の動きとともに、身体表面のそこかしこで身体と衣料との接触が起こるのだ。その接触感が、ふだんはじかに見えない身体のあやふやな輪郭を、くっきりと浮き立たせてくれるのだ。  

          10、輪郭を確認する服、なぜ人は服を着るのか

          9、着心地で選ばれる服

          着心地がいいとはどういうことだろう。 き‐ごこち【着心地】衣服を着たときの感じ。着ぐあい。着ごころ。 この言葉はよく、肌の感触で捉えた肌心地がいい意味で使われる事が多いと思う。でも必ずしも肌心地と着心地はイコールではない。肌心地と着心地がイコールであれば、ほとんどの人が着心地のいい服として同じ服を選ぶはずである。(男性のネクタイとか、女性のハイウエストのタイトなデニムとか、必ずしも肌心地がいいとは言えないと思う。) では、着心地とは何か。 着心地とは、服を着ているとき

          7、 ”じぶん”を見つけるための服

          思春期と呼ばれる頃、自分の体にあってないサイズを着たり、みすぼらしい格好をしたり、服を変形させてさせてみたりすることが多い。それはなぜか。”じぶん”と自分の社会的な外見が合っていないからだと思う。どこまでやれば社会的に批判されるのか、どういう風に注目されるのか。服というツールを使って社会的な”じぶん”の位置を確認し、探し出す作業である。 苦しそうな服、泣きそうな服、怒ってる服。社会に反発、抵抗する意識が服に現れ、生きる皮膚として”じぶん”を守っている。 これは”じぶん”を

          7、 ”じぶん”を見つけるための服

          6、愛する人のための服

          これは「第三者のための服」に近くて遠い。 第三者のための服はどちらかというと相手に不快感を与えないようにして着る服。ここで書きたいのは、愛する人を喜ばせるための服。 結婚してしばらく経つと、マンネリする人が多い。そうなってくると、家にいるときの格好やちょっと出かける時もあまり服に気を使わなくなると悪循環である。 マンネリを避ける方法の1つとして、服装に気を使うことがあげられると思う。少しのお出かけでも少し服装に気を使うことで印象は変えられるはず。何よりもその気遣いこそが愛

          5、個性を表現する服

          こ‐せい【個性】の意味 個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質。個人性。パーソナリティー。 こせい‐てき【個性的】の意味 人や物が、他と比較して異なる個性をもっているさま。独特であるさま。 人と違うことを服で表現してる人。一眼でわかる個性的な服はファッションに関わる仕事をしている人にはとても多いと思う。面白いのは、前に書いた属する服を着る人にも個性を表現する服を着る人は多いと思う。 わかりやすい例で言えば、学生時代の女性の靴下。今の学生はどうかわからない

          4、 属する服

          目立たないために着る、属する服。 女性でも男性でも人が大人数でご飯をしているテーブルをみると同じような格好であることが多い。そのグループに属するために着る服。 日本では学生時代の制服が影響しているのだと思う。学生時代は皆と一緒の格好をするのが当たり前だったのに、卒業した途端、毎日私服になって戸惑う人も多いと思う。雑誌やSNSで研究して、無難なスタイルで流行を少し取り入れつつも浮かないようにする。ダサいと思われるのは避けたいから、せめて’普通’の当たり障りのないファッション

          3、第三者のための服

          服を買う時に、1人で来る人もいるが、友達や彼氏や旦那と来る人もいる。大抵の人は、その人たちに意見を聞き、ネガティブな意見が帰ってきたら、たとえ自分が気に入っていてもその服は買わない。接客したことがある人なら、服を試着した本人が本当に好きか嫌いかはわかるはず。でも、多くの人が高い確率でその意見に逆らうことはしない。 第三者のために服を着ているからだと思う。どうしても人にどう見られるかが重要になる。社会の中で、他人が自分に対して抱くイメージが重要だということ。 面白いのはこの

          2、隠す服

          私はウィメンズのラグジュアリーファッションブランドでアートディレクターとして働いていて、時々お店に立ち接客をすることがある。その時に思うこと、うちに来る80%の女性がどこを隠せるかという基準で服を選ぶ。(私達のブランドを買う人は35歳以上の女性。) 1番多いのは二の腕、2番目はお腹、3番目はお尻。女性ならではの柔らかい曲線、人生の深みを出すシワ。それを無理に隠すより活かす方法を、それが美しいと思える世の中にはどうしたらなれるんだろう。年齢にあった美しさってあると思う。