日常的にイヤリングをつけること

人は、ほんのささいなことで気分を変えられる。
例えば、自分を着飾ること。お洒落をすること。
身につけるものを変えると、不思議と気持ちにも変化が生じる。

わたしは自分がお洒落に分類される人間だとはこれっぽっちも思わない。
しかし、必ず身につけるようにしているアクセサリーがある。

ピアスを開ける勇気はないけれど、でも耳元のお洒落を楽しみたい。
そんな我儘を叶えてくれる存在。
そう、イヤリングだ。

イヤリングと出会う前、わたしは外出時に不安な気持ちになることが多かった。
自分に自信がなくて、他人の目ばかりを気にして。
無防備な心で街に出かけて、意味もなく傷ついたりもした。
当時のわたしは、自分の心を守る術を知らなかったのだ。

しかし、イヤリングをするようになってからは、そのようなことは少なくなった。
それに気づいてからは、外出するときはもちろん、家にいるときもなるべくイヤリングを身につけるようにしている。

あんな小さなアクセサリーで、こんなにも気持ちに変化があるとは思わなかった。
お洒落は自分を「アゲる」という意味が大きいとわたしは思っていて、イヤリングは気軽にそれを体感出来るアクセサリーなのだ。

イヤリングを身につける。
その、ほんの少しの特別感がわたしの心を守ってくれる。
単純に好きなものを身につけることが嬉しい、というのもある。
しかしわたしの場合は、イヤリングは「装備する」という感覚に近い。
イヤリングを装備すると、心が補強される。
いくらか、心の防御力が上がる。
そんな気がするのだ。

きっと、イヤリングを身につけるという心の余裕を持つことが、自分を守ることに繋がっているのだと思う。
最近では手持ちも増えて、その日身につけるイヤリングを選ぶ時間も楽しんでいる。
心に余裕がないときは、お洒落も楽しめない。

もしかしたら、イヤリングを身につけたから心が落ち着いたのではなくて、その逆なのかもしれない。
わたしの心の成長が、イヤリングを楽しむ余裕を生んでいる……?

どちらにせよ、日常的に身につけることで、わたしはきっと、もっと強くなれる。
より防御力の高い装備を求めて、またアクセサリー売り場に足を運ぼう。
これからもわたしにとってイヤリングは、小さなお守りなのである。

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