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さいしんコラム#1183~栄枯盛衰/レッズはどの過程か

 そういうレッズはどうなんだよ。

 浦和レッズも04年~07年の"自称"「黄金期」に比べたら、その後はあまり芳しい成績を挙げていないが、まずもってヴェルディや磐田のように最初に「栄」や「盛」が来ていない。初期は、今のレギュレーションなら2年連続降格(それはあり得ないが)していた。折紙付きの「枯」「衰」だった。その10年後に黄金期が来たから順番的には「枯栄衰盛」だ。

 またリーグ優勝は06年だけだが、16年にJリーグカップで優勝しているし、18年と21年には天皇杯を制している。リーグ戦でも14年、15年は2年連続で年間勝ち点2位、16年には同1位になっている。ACL三度優勝はアジア最多だ。どうも2位や準優勝が増えてきて(Jリーグ2位✕5回、Jリーグカップ準優勝✕5回、天皇杯準優勝✕1回、ACL準優勝✕1回)、シルバーコレクターと呼ばれるのはうれしくないが、決して下位を意味する称号ではないから、現在が「枯」や「衰」でないことはたしかだ。
 今のところ栄枯盛衰の筆頭候補にはならない。

 百年以上の歴史がある海外のリーグに比べたら、たかだか30年を過ぎただけのJリーグで、栄枯盛衰という言葉を持ち出すこと自体が早いのかもしれない。
 ただJリーグ元年に生まれた女の子が、すっかり大人の女性になって、父親と一緒にレッズを肴に飲んでいるところを見たり、かつてアウェイ戦にもほとんど行っていたバリバリサポーターの娘がレッズのパートナー企業に就職したとかいう話を聞いたりすると、人の一生の中で30年は決して短くはないと思う。

 ACL三度優勝という、鹿島にもG大阪にもできない場所に到達している一方で、31シーズンでJリーグ優勝は1回。
 僕が考える「黄金期」の定義とは「Jリーグ優勝または2位+ビッグタイトルの一つで優勝するシーズンが、3年以上続くこと。ただし3年のうち一度はリーグ優勝していること」というものだ。だから04年~07年がそれだと言っている。
 その黄金期が再び来ることを信じているが、念仏やお題目を唱えているだけでは実現しない。きちんとした過程を経ないと。
 今がその過程にあるとは思っているのだが。


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