何と公式戦ゼロの日

　６月はリーグ戦が少ない月ではあるが、何と６月14日は30年間レッズの公式戦が１試合もない日だ。
　ただ、サテライトリーグはあった。しかも僕は取材に行っている。山形まで。
　写真や資料を見て、思い出したこともあるので今日はそのサテライト戦を中心に書く。

　2009年６月14日(日)。ん？　なんだ、昨日のナビスコ杯大宮戦翌日じゃないか。
　浦和レッズはNDソフトスタジアム山形で、モンテディオ山形とＪサテライトリーグを行い、1-0で勝利した。

｢レッズ戦全部取材｣の時代

　このころ、僕は「浦和レッズ」の試合があれば、カテゴリーにかかわらずどこへでも行った。と言っても試合が重なれば、全部は行けない。優先順位はある。
　もちろんトップが最優先で、レディーストップ＞サテライト＞レッズユース＞ジュニアユースレディース＞レッズジュニアユース＞が基本だった。大会のグレードや、取材頻度によって変更していた。だから毎週末、どこかで「浦和レッズ」を取材していたし、関東近郊ならダブルも普通だった。極力多くの試合を記録に残すことが、自分の役割だと思っていたし、掲載する媒体も、MDP、オフィシャルウェブサイト、Little Diamondsと複数あったから、やりがいもあった。

前日、埼スタで見た選手も

　このサテライト山形戦に戻る。
　先発はGK加藤順大、DF平川忠亮、濵田水輝、堀之内聖、野田紘史、MF赤星貴文、岡田昌巳(ユース）、高橋峻希、矢島慎也(ユース)、FW利根川良太(ユース)、セルヒオ エスクデロ。先発にレッズユースの選手が３人含まれており、リザーブにもユースの選手が３人いた。

　Ｊリーグができたころは、40人を優に超える選手を抱えており、トップとサテライトで練習も分かれていたが、このころは、それほどの余裕はなかった。先発した濵田、堀之内、赤星、峻希、セルヒオの５人と後半から出場した大谷幸輝は、前日のナビスコ杯大宮戦のリザーブメンバーでもあったし、堀之内、峻希、セルヒオの３人は大宮戦で交代出場していた。短い時間とは言え試合に出た翌日、山形に移動して試合、というのは心身共に簡単ではないだろうが、当時はチームにケガ人も出ていたからやむを得ない部分もあったし、トップで先発していない限りこういう起用のされ方も普通にあった。それでも選手が足りないからユースの選手が６人入っていたのだ。リザーブのユースの選手も３人とも途中出場した。

圧倒してアディショナルタイムの１点だけ

　試合はレッズが圧倒していた。シュート数はレッズが14本、山形が４本。特にセルヒオは６本のシュートを放ったがことごとく決まらなかった。
写真にはレッズの攻撃シーンがいっぱい残っているのだが、喜んでいるものが出て来ない。
　しかし89分、これは当時の時間の表記で、今で言うと90＋２分に、CKから堀之内が右足で蹴り込み決勝点になった。堀之内はこれが初シュートだった。せっかく山形まで来たんだから、もっとゴールシーンをたくさん撮りたかったが、「昨日６点見たしな」と自分を納得させた。

　ところで、この試合で先発していた矢島がトップに昇格するのは2012年。そう、このときはまだ高校１年生だったのだ。将来を嘱望されていたということだろう。

　また、指揮を執っていたのは福田正博コーチ。福田さんは2008年からレッズのコーチに就任したが、当時のオジェック監督が開幕後すぐに解任され、エンゲルスコーチが監督に昇格したことに伴い、サテライトリーグの指揮を執るようになり、この2009年もそういう役割だった。

このあと赤星が山形に移籍

　そして、直接関係あるかどうかわからないが、先発していた赤星貴文が６月30日、山形へ期限付き移籍することになった。この試合で良い動きを見せていたので、試合後に取材もしたのだが、もしかしてあの試合がプレゼンテーションだっというか、トライアウトを兼ねていたのか、と思った。08年の水戸ホーリーホックに続いて２回目のレンタル移籍だった。僕は、この山形戦のあと取材したのが赤星とちゃんと話した最後だったので感慨深かった。

公式戦がなくても書くことはいっぱいあるなあ。

さて、みなさんは2009年６月14日、何をして何を感じていましたか？

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
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