サウジにいるよ

 試合の間隔が何日もあくと、多くのファン・サポーターは「レッズ飢餓感」に襲われるのだろうか。それとも平穏な日々を送れるのだろうか。
 僕は、試合の間隔が長ければ長いほど、仕事のエンジンをかけるのに時間がかかることが多い。
 今回は、Jリーグの川崎戦からACL決勝第1戦のアルヒラル戦まで中3日と間隔は短いのだが、羽田を6日の夜中に出て、あまり飛行機の中で寝られず中継地のドバイで6時間乗り換え待ちをして7日の夕方にリヤドに着く、というふだんとは違う24時間を送っているうちに、すっかり仕事モードから離れてしまった感がある。
 そんなボケた頭を仕事に引き戻してくれるのは、やっぱりレッズだ。7日の夜、行われた前々日練習を見て、チームやスタッフの姿に触れると一気に「ああ、明後日試合だ」という気持ちにさせてくれた。
 その夜はヘトヘトに疲れていたのですぐに寝てしまったのだけど、練習後に聞いた選手のコメントの録音を聞き返すと、疲れを横に押しやって仕事しようという気にさせてくれた(決して疲れが除去されるわけではないので注意しないといけないが)。

 一昨年のACL優勝のとき、まだユースの高校3年生だった橋岡大樹は「決勝第2戦の日は(年代別代表で)埼スタには行けなかったのでテレビで見ていたが、自分があそこに立ちたい、という思いになったし、自分が試合に出るようになってからは、3度目の優勝を果たして、また星を増やし、歴史に名を刻めたら、と思ってやってきた」と、今季初めて出場したACLだが、レッズの歴史を背負って闘う準備ができている。
「第1戦は何としても無失点で抑え、第2戦につなげたい」とDFらしい決意を語っていた。

 Jリーグで大分戦から4試合で勝点1しか取れていないことは残念極まりないが、この決勝2試合の間にもうリーグ戦は入っていないし、決勝第2戦の後も連戦ではない。Jリーグのことを考える必要はないし、考えてもプラスになることはない。ここからの2試合をどう戦うか、だけに集中できる環境のはずだ(他チームの試合が行われる日だけは気になってしまうかもしれないが)。

 一昨年、日本から300人のファン・サポーターがレッズの応援のためにサウジアラビアを訪れ、日本の外務省に驚きと多忙さをもたらしたのは記憶に新しいが、今回はその5割増しの450人が見込まれている。おりしもサウジへの入国が緩和されたことが、レッズに追い風になったと言える。
 また一昨年の会場は、埼スタよりも大きいキング・ファハド国際スタジアムだったが、現在アルヒラルが使用している、サウード国王大学スタジアムは2万5千人収容のサッカー専用スタジアム。この環境の違いがどう影響するかも楽しみだ。
 スタジアムへのアクセスは専用バスのみで、ゲートに横付けで入場という「広州・北京方式」らしいから、サポーターに会うのは難しいかもしれないが、決勝第2戦のMDP「リヤドリポート特集」に協力してくれる人も何とか見つけなければ。

 レッズのシーズンは波風が荒いときが多いが、今季はここ数年の中でも大きな波が押し寄せてきている。ここからの1か月でそれをきっちり制して望む結果を手に入れよう。

 うん。原稿を書くこと自体も、僕のエンジンをかける手段の一つだな。つまり、ぐうたらなだけなのかもしれない、と今さら気がついた。

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清尾 淳

1957年、石川県加賀市生まれ。1981年、埼玉新聞社に入り浦和の住人に。1992年から、浦和レッズオフィシャルマッチデープログラム(MDP)の編集を担当。2005年に退職し、フリーでMDPの編集を請け負っている。清風庵(http://saywhoand.jp/)庵主。
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