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3月14日(2015年)阿部勇樹の有言実行は19試合無敗のスタート

プロローグ 3月4日・7日

2015年3月14日(土)。浦和レッズは埼玉スタジアムにモンテディオ山形を迎えてJリーグ第2節を行った。
 この年、Jリーグ開幕前に公式戦3連敗を喫したが、3月7日(土)にアウェイで行われた湘南ベルマーレには3-1で勝利を収めていた。そこまでのことは、以下に書いた。

粘る山形をミドルで一刀両断

 前節の相手、湘南は前年J2優勝で昇格を決めたチーム。そして、この日の山形も昇格チーム。しかも前年J2の6位で昇格プレーオフに出場し2試合を勝ち抜いて上がってきたしぶといチームだ。
 前年優勝を逃したレッズに、第1節、第2節、さらに第4節で松本山雅と、序盤で昇格チームを続けて当ててくるJリーグの意図は何なのだろう。前年優勝のガンバ大阪、3位の鹿島アントラーズの対戦相手を見ると、鹿島が第2節で湘南と当たっているだけだ。

 昇格して意気が上がっているチームと序盤で対戦するのは要注意だ。
 山形は湘南のように前に勢い良く出てくることはなかったが、自陣ゴール前に人数を掛けてレッズに攻撃のスペースを与えない。そしてゴールを守るのは、前年の途中レッズから山形に期限付き移籍した山岸範宏。プレーオフ準決勝で1-1の引き分け敗退寸前、GKながらCKから劇的な決勝ゴールを決めて“山の神”と称され、この年から完全移籍になった。
 前半はスコアレス。後半も山形は後ろに人数を掛けてカウンターを狙う戦術を崩さない。じりじりと時間が過ぎた後半38分、森脇良太が右からアーリークロス。ハイボールを武藤が競り、こぼれたボールに走り込んだ阿部勇樹がエリア手前からダイレクトでシュート。高速のボールがネットに突き刺さった。1-0の勝利だ。

「2試合で終わりたくない」の言葉どおり

 阿部は試合後「バウンドと自分がシュートできるタイミングがピッタリだと感じて、シュートコースが見えたので、ダイレクトで打ちました」とシュートについて語り、「開幕前に連敗があって、先週やっと勝った後のホーム開幕戦でしたから、前節の勝ちを続けたいと思っていました。2試合で終わりたくないです」と次への抱負を述べた。

 1週間前の「まず一つ勝とう」の叫びを、開幕戦でシーズン初白星を挙げて現実のものとし、さらに引き分けの色が濃くなってきたホームゲームを自分のゴールで勝利に導いた。この日、サポーターは阿部を「有言実行の男」と呼んで讃えた。
 そして「2試合で終わりたくない」の言葉どおり、レッズはそこからリーグ戦でホーム9連勝。アウェイでも10試合負けなしを続け、この年浦和レッズをはじめ多くのサッカー関係者の反対を無視して導入されたステージ制の前半戦、1stステージで優勝を果たしたのだった。

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 さて、みなさんは2015年3月14日、何をして何を感じていましたか?

※【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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