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MDP670号コラム「NEVER LEAVE REDS」~新体制だけど/テーマのヒントになった言葉

 広島戦のあと、記者室でレッズ担当のある記者が別の記者に「これで開幕戦5連敗だね」と話しかけていた。
 ん?5連敗というと2020年からか。2020年は大槻監督の年で、開幕が湘南戦で…、と記憶をたどったとき、話しかけられた記者が「いや、2020年は勝ってるでしょ。それにリカルドの1年目は引き分けだったはず」と答えた。そう、そのとおり。

 すると件の記者は「あ、そうか。じゃ3連敗。4年連続勝ちなしだ」と訂正した。
 そうか、つまり悪い記録を強調したいわけだな。まあ「連続~」というのを話のネタとして探すことは仕事の一部みたいなものだ。

 3連敗でも4年連続勝ちなしでも、それが何か?
 レッズは開幕戦の勝敗が圧倒的に悪いのは知っているから、今さら驚かないし、聞かされていい気はしないが、それほど嫌な気もしない。ただ、彼のうれしそうな態度がカチンときたので、ちょっと調べてみた。
 レッズはJ1リーグの開幕戦で、9勝5分け17敗。他のチームを調べていないが、やはり圧倒的に分が悪い。
 ただ監督が2年目のときは7勝3分け6敗と、それほど良くはないが、全体の数字と比べればハネ上がっている。逆に言うと監督が就任1年目のときは、2勝2分け11敗と惨憺たる成績なのだが。
 ここから、どう這い上がって行くかが大事だし、今季、来季と這い上がっていけると信じている。そんな話を今季最初のMDPに書いた。

 字数の関係で書けなかったことを補足すると、2年目監督の7勝3分け6敗のうち、3分け6敗はすべてアウェイだ。まあ、レッズはシーズンチケットの発送が間に合わない懸念から、なるべくホームは第2節以降にしてもらっているようだから、開幕戦がアウェイでおかしくないし、アウェイだから勝てなくてもいいとは思わないが、開幕戦がホームに当たった相手の力の入れようは相当なものだろうから、分が良くないのは仕方がない。2年目監督の7勝のうち、5勝はアウェイなのだから、そんなに悪いわけではない。

 特に、今季これから這い上がっていけると信じているのは、ゼロからのスタートではないからだ。マティアス監督はマチェイ前監督と長く話をして、しっかり引き継いだようだし、ここ3回の監督交代は、クラブの方針に沿って変遷がされている。試合の中で「ここは練度高いよな」「ここは新しいパターンだな」と見つけるのも一興だ。

 去年のルヴァンカップ準決勝第1戦のあと、隼平がケガ、敦樹が日本代表で不在、酒井が出場停止、そして第1戦0-1という第2戦に臨む状態を指して「なんだ、じゃあレッズ終わってるじゃん」と、ある記者が言ったときもそうだったが、周りからの"ディスり"は僕にテーマのヒントをくれる。
 1割くらいは感謝の気持ちがある。

 ということで、埼スタに向かおう。

 

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