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6月16日(2012年) 中断明けの勝利を決めたゴールで、自身も飛躍の契機に

 2012年6月16日(土)、浦和レッズは万博記念競技場に乗り込んで、ガンバ大阪とJ1リーグ第14節を行い、2-1で勝利した。

 リーグ戦は5月26日にFC東京と引き分けてから3週間の中断。途中、6月6日にヤマザキナビスコカップ予選リーグ第5節でサガン鳥栖に敗れ、最終節を待たずに敗退が決まるという苦しいチーム状況の中、迎えたリーグ中断明けの試合だった。

激しい雨の中、1-1が続く

ビジター側ゴール裏はギッシリ

 19時からの試合だったが、開場と同時にビジター側スタンドは埋まり、大きな盛り上がりを見せた。
 試合が始まるころは雨。15分にCKから先制され、苦しい立ち上がりとなったが、29分に柏木陽介からパスを受けた原口元気が同点ゴールを決める。
 その後は雨が徐々に激しくなる中、両チームのプレー強度も高くなっていったが、スコアは動かなかった。スタンドのサポーターも全身ずぶ濡れで声を枯らして応援を続けていた。再開初戦、絶対に勝って良い流れを作りたい。写真を撮っている僕の背中にも、その熱い思いがビンビンと伝わってきた。

 すると後半アディショナルタイム、柏木のパスを相手の裏で受けた梅崎司が中へ切れ込みシュート。ネットを揺らした。
 激しい雨を吹き飛ばすかのようなレッズサポーターの歓声の中、梅崎はピッチを横断し、ベンチへ。仲間と喜び合い、そして胸のエンブレムに手を当てて、サポーターに応えるようなしぐさを見せてピッチへ戻っていった。最後にガッツポーズのように片手を上げた様子からは、疲労困憊の様中にも、やり切ったという手ごたえが感じられた。

梅崎の胸中を去来したのは

 梅崎が胸中で振り返っていたのは、この試合の90分だけではなかっただろう。ゴールへの絡みはあっても自身の得点はこれがシーズン初だったのだ。
 前年の2011シーズン、終盤の活躍でJ1残留に貢献。ミシャ監督就任1年目のこのシーズンも左右両方のウイングバックで起用されていたが、自分の結果が欲しかったはずだ。それが中断明けのこの苦しい試合で飛び出した。感無量という言葉がぴったりと当てはまる。

 梅崎のシーズン初ゴールはチームを3位に浮上させただけではない。これを皮切りにリーグ戦7得点と、それまでのチャンスメーカーからセカンドストライカーへと自分を脱皮させるスタートにもなったのだ。

中断明け、頼むぞ!

 2022年の浦和レッズも明後日18日がリーグ戦3週間の中断明けだ。チームを勝利に導き、自身の飛躍のスタートとする。その選手は誰だろうか。

 うーん、候補が多すぎて予想がつかない。

 さて、みなさんは2012年6月16日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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