5月26日(2013年) 2試合連続6得点の時期があった。連続2失点だったけど
2022シーズンのいま、これを書くのは何とも皮肉だけど、あえて書く。
2013年5月26日(日)、浦和レッズはアウェイの国立競技場で柏レイソルとJ1リーグ第13節を行い、6-2で勝利した。前節はホームでサガン鳥栖を6-2で下し、2戦連続同スコアによる大勝という派手な試合だった。
興梠の加入がダブルの効果
ミシャ監督の2年目。人とボールを動かし、人数をかけてコンビネーションで攻めるサッカーが浸透し、さらに大幅な即戦力の補強を行って上位で戦うことが多くなったシーズンだ。
中でも新加入の興梠慎三が1トップを見事に務めることで、それまで慣れない1トップで苦労していた原口元気が左のシャドーに下がり、持ち味であるドリブルと左からファーサイドを狙うシュートなど、本来のポテンシャルを発揮できるという攻撃面でダブルの効果があった。
興梠はこの年、過去最多(当時)の13ゴール、原口はJリーグキャリアハイの11ゴールを挙げている。
2試合で合計9人が得点
またこの2人以外のゴールも多く、監督が掲げる攻撃的サッカーの看板に偽りなし、という時期だった。
鳥栖戦の得点者は、阿部勇樹、槙野智章、興梠、原口、那須大亮、矢島慎也。流れの中からDFの槙野と那須が決めているのもミシャサッカーの特長の一つだし、6ゴールすべてが違う選手であることも、どこからも点が取れたことを表わしている。
そして5月26日の柏戦の得点者は原口が決めた後、柏木陽介が2点、マルシオ・リシャルデスが2点、森脇良太が1点と、原口以外は前節得点しなかった選手たちが「今度は俺の番だ」と言わんばかりのゴールゲッターぶりを発揮した。
特にマルシオは68分に出場してからの2ゴールで存在感を示した。マルシオと交代した選手は柏木で、この2人で4点挙げたことになる。
ウノゼロが見たい! という意見も
僕は柏戦の直後、国立のコンコースで帰るレッズサポーターを何人か呼び止めた。28日(水)にホームゲームを控えているため、そこに掲載する声を取材ためだ。2週連続の6得点に笑いが止まらない、かと思いきや、それを喜びつつも冷静に試合の流れやポイントになった選手について語ってくれる人が多く、さすがレッズサポーター、と思ったものだ。もうスタンド喜びは出し切っていたのかもしれない。
そんな中に1人、不満たっぷりの女性がいた。
「勝ったのはいいけど、鳥栖戦も今日も2点取られてるじゃない! こっちのゴールネットにボールが入るところを見るのがどんなに嫌かわかります? わたしは1-0の試合が見たいの!」
サッカーの試合にとって2失点は負けか良くて引き分けという結果になることが多い。
ミシャ監督のスタンスは、2点取られても3点取って勝てばいい、というもので、リスクを掛けて攻撃する分、失点はある程度覚悟の上だ。実際、鳥栖戦と柏戦の結果は、その最たるものだったかもしれない。
しかし点の取り合いに負けることもあったし、ゴール前を固められて0-1での敗戦もあった。レッズのゴールネットが揺れるところを見たくない、というその女性の意見は、あらためてもっともだと思った。
もっともだが、ミシャのスタンスは変わらないだろうな、とも思った。
昨日現在で14試合15得点という、今季2022シーズンのレッズから見ると、2試合で12得点というのはうらやましい限りなのだが、監督も選手も違う中でそんなことを言っても始まらない。
今のサッカーで、攻撃の成功率を高めていって欲しい。
※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
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