今日ご紹介する温泉は、鳥取県は三朝温泉の「桶屋旅館」さん。2023年9月に、ひとりでこちらに２食付きで１泊したときのお話だ。

鳥取県の三朝温泉は、開湯以来850年以上の歴史がある。高濃度のラドン含有量を誇り、世界屈指の放射能泉として有名だ。「三たび朝を迎えると元気になる」ということが名前の由来のようである。詳しくは、以下の「三朝温泉公式サイト」をどうぞ。

三朝温泉には温泉旅館が多くあるが、ひとり客を受け入れている旅館は限られる。今回は、そのひとつであり、リーズナブルな料金（２食付きで１万円前後）で泊まれる桶屋旅館さんにお世話になった。

外観

こちらが、外観。昔ながらの木造建築だ。

手作りのお人形が座っている。

お向かいには、三朝温泉を代表する高級旅館の「大橋」さんがある。

できれば「大橋」さんにも日帰り入浴に伺いたかったが、2023年8月、豪雨による被害のため、このときの日帰り入浴はお休みだった。一日も早い復興をお祈りしている。

館内

こちらが、玄関。田舎のおばあちゃんの家に来たようなあったかい雰囲気。

館内はレトロな風情。昔懐かしい洗面エリアの佇まい。

館内はとても清潔に保たれている。

館内のあちこちに、手作りの飾り物。

お手洗いは共用で、各階にある。男女共用ではあるが、清潔だった。

客室

私が泊まったのは、２階の客室。

１人泊には十分のお部屋。

縁側に洗面所。テレビにポットや浴衣など、ひととおりのものが揃っている。

窓からの風景。

夕食から部屋に戻ると、お布団が引かれていた。セルフで敷くものだとばかり思っていたので、嬉しかった。

天井からの電気コードが延長できるやつ。これ、昔、実家にあったなあ…。

昔ながらの造りなので、防音は弱い。隣のおじさんの大きなくしゃみが聞こえたが、お互い様なので、気にしない。

お風呂

お風呂はふたつあり、21時で男女交代になっている。

その１

まずは、チェックイン後すぐに行ったお風呂がこちら。

明るい洗面所。

シンプルな湯船。後述のもうひとつのお風呂のお湯が熱いため、シャワーはないけれど、髪や体はこちらで洗っておく。

こちらは、三朝温泉の共同源泉からの引き湯で、完全なかけ流し。適温で、なめらかな肌触り。身体がじんわりと温まった。とても良いお湯だった。

その２

21時に男女の湯船が入れ替わってから、もうひとつのお風呂へ。こちらが、このお宿の名物の足下湧出の温泉だ。

簡単な脱衣所がある。

脱衣所から扉を開けると…。下に降りる階段があり、その底に四角い浴槽が（写真は翌朝、朝の光のなかで撮ったものです）。

階段には一段一段、ケロリンの洗面器が整然と並べて置かれていた。

物音ひとつしない、静けさのなかに、この空間である。美しい…。

そして、床が温かく、お風呂に入る前から、足の裏からじんわりと熱が伝わってくる。床下から沸く温泉の効果だ。床に寝転がってもよいそうだ。

浴槽の底には、大きな石が敷き詰められていた。この下からお湯が自噴しているのだ。

そして、壁には小さな穴が…。

飲泉用のお湯が貯められている。ひしゃくも置かれていた。

お湯は、激アツだった。我慢して入る。１分が限度だが、１分ずつ、３回くらいに分けて入った。

お湯は、無色透明。温度が熱いせいもあるだろうが、成分のせいもあってか、ものすごくパワーを感じる。また、飲泉コーナーでお湯を飲んでみると、まろやかではあるが、けっこう重く、お腹に溜まる感じだった。

ほんの短時間入っただけなのに、身体がジンジンとして、ものすごい量の汗が出た。上がった後もずっと身体がポカポカし続け、保温効果が抜群だった。

泉質は、含弱放射能・ナトリウム・塩化物泉。泉温は、57度超え。足下湧出の完全かけ流しという、これ以上ないパーフェクトな湯使いだ。ラドン温泉自体が珍しいなか、こちらのお宿のこのお風呂は、かなり貴重な部類に入るだろう。是非、これからもずっと存続していってほしい。

食事

リーズナブルな料金なので、正直言ってあまり期待をしていなかったが、良い意味で期待を裏切られた。

夕食

食堂でいただく。家庭料理的。大きい旅館のゴージャスな料理より、むしろありがたい。

朝食

バランスの取れた、ヘルシーな和食。こういう食事が本当にありがたい。

お湯が格別にすばらしく、ご飯も美味しい。そして料金がリーズナブル。そして、お宿の方もみなさんとてもご親切だった。トイレが共同で、防音は今ひとつではあるが、そのあたりが気にならない方には、自信を持ってお勧めしたい。

いいお湯でした。お世話になりました！

こちらのお宿の公式サイトは、こちら。

私の温泉系記事へは、以下のリンク集からどうぞ！