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過去の私の俳句を斬る②

昔の自分と、俳句を通じて対峙する。

なかなか面白い時間です。俳句を続けておられる方、記録を残しておられる方は、ぜひやってみてください。


麗日や川のあちらを母の行く  新治(平成27年)

初めて句会に出した4句のうちの一句です。季語は麗日(れいじつ)。

上五を「や」で切って、中七下五を一続きにしてくっつけるという、俳句の基本形はできていたようです。しかし、季語のせいもあって、全体的にぼんやりとした景です。それが持ち味なのかもしれませんが。突き刺さる魅力があるわけでもなく、句会に出ていても私は点を入れないと思います。(事実、句会でも点は入りませんでした)

川のあちらを、というのも持って回った言い方です。「対岸」といえば済みます。また、この表現だと、何となく「彼岸」のイメージもあって、亡き人のように読めてしまいますが、事実とは異なります。

麗かな中でも、何か一点、鮮やかな映像を入れたいところ。

対岸を自転車の母うららけし  新治(令和3年)

こんな感じでしょうか。これなら、活き活きとした人間として読めるかと思います。

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