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過去の私の俳句を斬る⑩

昔の自分と、俳句を通じて対峙する。


其処此処に黒き代田や星数多  新治(平成27年)

季語は、代田。

耕して水を引いた田は黒々として、農村の景色を一変させます。

水と泥の匂いが満ちてきて、空気も入れ替わるような気がします。

最後に星が出てきますので、時間帯は夜。

中七に明確な切れを持ってきたところには、当時の私の勉強の跡(?)が見えます。


黒々とした色を想像させるために、漢字を多用しているのでしょうが、さすがにちょっと重たくなりすぎているきらいがあります。

また、「そこここ」「あまた」と視点が広がりすぎているので、もう少しフォーカスを絞りたいです。


例えば、農作業が済んだ静かな夜の代田に、虫か何かが跳ねた、という場面はいかがでしょうか。

星空や代田の隅を何か跳ね  新治(令和3年)

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