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【スピンオフ】もしも野球経験が全くない32歳男性が元プロ野球選手のノックを受けてみたら

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きっかけは大西監督のツイート

バットを黙々と振る毎日。いつ連絡くるかなー。和歌山ファイティングバーズはちゃんとリスタートしているみたいだし、色々と楽しみなところ。外国人選手も大量に獲得しているしね。

さてさて、堺シュライクスの練習を見学した初日、松本オーナーから「グラウンドに入っていい」ということを伝えられた。なんか大西監督の意向で「みんなでたわむれる」ということをやっていく、ということだそうだ。

「グローブ持って行ったらノックも受けれるそうですよ」
いやいや、まさかそんな、素人が練習に入っていいなんてこと・・・

監督が言うてはるー!!!!!!!

いや、ちょっと待て、プロのノックを受ける機会なんて無いぞ。しかも相手は大西宏明。僕が高校生の時、近鉄でバリバリ活躍していたあの大西。グラウンドに降りて至近距離で練習を見られるだけでも十分お値段以上(お金取ってないけど)なのに、なんというか・・・お金払わなくていいんですか?というぐらいの気持ち。

とりあえずグラブ持参で12日の練習の見学に行く私だった。

そしてノックが始まった

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グラウンドに降りると、大西監督、藤江コーチ、夏凪代表がニヤニヤしながらメニューを作っている。そこにやってきた私。

「おっ、持ってきましたね、グラブ」夏凪さんに即見つかった。

「どこかのタイミングでよろしくお願いします!」と挨拶し、アップが始まった。その辺は↑の記事をご覧ください。

ノックが始まった。写真をしばらく取っていたら「ええタイミングでそのまま入ってくださいね」と大西監督に勧められた。

ノッカーは藤江コーチ、受けるのは藤川選手、丹羽選手、佐藤将悟選手、神原選手、そして私。

「すみません、お邪魔します!よろしくお願いします!」と言ってダッシュで守備位置についた。

人生初ノック

改めて整理すると非常におかしなことになっている。
大学で内野のベストナインに輝いたことがある藤川選手、海外でプレーしたことがある丹羽選手、去年ブルーサンダーズで活躍した佐藤選手、社会人野球で実績のある神原選手、野球未経験の私。

おかしい。

とりあえず元気だけでも出そうと思った。

「お願いしまーーーーーす!」

藤江コーチから打球が放たれる。
うわ、どうやって合わせたらええんやろ、とりあえず腰を落として・・・

取れた。そして投げた。

(藤川さん、キョトンとされてる)

(赤いシャツが場違いにもほどがある)

何回か受けて「4番候補やぞ」と佐藤選手にイジられる私。ごめん、バッティングは多分もっと下手なのです。

しかし、トンネルしたり、暴投したり、右腕に打球を当てたりと、周りから見たら散々な形だったかもしれない。

挙げ句の果ては、打球をつかんだ勢いで、前に回った。

藤江コーチから「ジーンズがダメージジーンズになってないかー!!!!」「肉体年齢大丈夫かー!!!!!」と手厳しい一言。
「だいじょうぶでーーーーす!」と笑って返す私。だって藤江コーチと同じ1986年生まれだもの。へこたれるわけにはいかない。(藤江コーチが早生まれなので学年が一つ上)

(不安そうに見つめる神原選手、すみません・・・)

(お手玉したやつ。完全に腰が高い)

そんなわけでボールがなくなったところで一回終了。

(だいじょうぶでーす!!のポーズを見つめる藤江コーチ)

予想以上にダッシュを繰り返すのであっという間に息が切れて驚いた。
そういや中村紀洋が昔「走るのは好きじゃ無いけど、ノックは好きだからこれで体を作る」って言ってたけど、確かに夢中になってボールを追ってたら知らない間に結構走れてそうだもんな。

「ありがとうございました!お邪魔しました!」とご挨拶。

しかし、多分手加減してもらったとはいえ、結構取れたよな・・・と思った次の瞬間。自分がいかに甘かったかを思い知らされた。

激しさを増す藤江コーチのノック。

何度も飛び込む佐藤将悟。取れそうで取れないコースを行くボール。
「ああああー!」といううめき声の次の瞬間にはまた打球を受けに行っていた。すごい。これぞプロだ。

(苦しそうじゃ無い顔がまたいい)

その後、外野ノックの写真を撮ってたら安積拓人の送球がこっちに逸れてきたので大西監督の補助に入ったら、「なんなら向こうでうけます?」と言われたので外野ノックにも参加することに。
外野は安積選手、そして佐藤蓮選手と同組。こっちも2年間ブルーサンダーズの育成チームにいた叩き上げの選手と、近畿学生野球連盟のオールスターに選ばれた選手。場違い感がすごい。

「バファローズの大西さんにノック打ってもらってる」

これだけでも夢のような時間。が、なんせ中学で砲丸投げをやって以来壊れっぱなしの肩なので、全然いい感じに送球できない。そしてここでもやっぱり前に一回転した。

距離感がつかめてきて、よしと思って調子に乗ったら失敗した。

「サジーさん腰が高い!」「サジーさんボール見て!」と後ろの方で安積選手の声が響く。うん、反省してます。

程なく大西監督がこっちにきた。

「送球がブレるのはちゃんと自分の型で投げられてないから。練習の時はオーバーにする感じでやったらいい。それを繰り返してだんだん良くなるから。別にノーバンで投げる練習じゃ無いからな」

この一言で安積選手の送球が格段に良くなった。ゆったりとしたフォームから投げるボールはノッカーの横でボールをキャッチする人に狙い通りワンバンで届いた。

私もちょっと試してみたら確かにまっすぐ投げられた気がする。やっぱりプロってすげぇ!

諦めたらあかん

一つ猛烈に反省していることがある。外野ノックの際にトンネルしてしまったときのこと。やっちまった!と思い天を仰いでいると

「サジーさん、プレー続いてるよ!」

と大西監督と、安積選手に。そうだ。試合をしている感覚でやらないと、本番を想定するための練習だ。ノックを受けられるってことで舞い上がってた。ものすごく反省しています。

なんというか失敗して気持ちが切れそうでも、次に自分が何をしないといけないか、ちゃんと意識しないといけないなと思った。これは野球でも普段の仕事でも同じだなぁと。

大西監督、藤江コーチ、ありがとうございました。色々学べた気がします。また次もノックを受けさせてください。

ちなみに

練習が終わって1時間後、すぐに右半身を筋肉痛が襲い始めた。特にここ数年本気でボールなんぞ投げたことがなかった背中がすごい。あとは太腿の裏側。普段いかに体を使っていないか丸わかりですね。。。

あと外野ノックで私の暴投を取っていただいていたのが、文春野球コラムでおなじみの河内一朗さんだったことが判明。

まさか大阪府堺市で文春野球の関係者にお会いできるとは。。。
色々とすみませんでした。また練習見学でお会いした際はよろしくお願いいたします。

最後に

ノックですが、本当に誰でも受けられるそうなので、受けたいという人は、練習見学にグラブを持っていき、大西監督か藤江コーチか夏凪代表に一声かけてみましょう。きっと一生の思い出になります。

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