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美しいもの、見つける

現在上皇后となられた美智子様は、現天皇陛下の幼少の頃にこんなことを言っている。

「浩宮の人柄の中に、私でも習いたいというような、美しいものを見いだしています」

子どもは何を見ているのだろう?

1、美しさを見つけるのは本能?

ある実験ではアルツハイマー病患者に対し、「数枚の絵をきれいだと思う順に並べて下さい」と指示して絵を並べさせた。

2週間後にもう一度絵を並べるように指示すると、患者はその絵を以前に見たことは忘れていても、2週間前と同じ順序で絵を並べたとのこと。

この実験から、たとえ物事を忘れてしまうアルツハイマー病患者であっても、美しさの基準は変わらないことが示唆されている。

2、美しさを見いだせないことに慣れてしまわないように

単調な建物は人間の心拍数やストレスを増加させる。

一方で……
美しいものに囲まれた環境は、人間の体を健康にしたり認知機能や気分を向上させたりする。

人間の肉体や精神は目に見たものの影響を強く受け、美しいものを見ることは人間の幸福度を高くする。

3、センス・オブ・ワンダー

『センス・オブ・ワンダー』の著者レイチェル・カーソンは甥のロジャーを自然界の探検に連れて行く。

https://www.amazon.co.jp/dp/4105197029/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_E7P2WFN19XBQRFYH1VT6


4歳になったロジャーは、暗闇にも、波のとどろきにも怖がらず、

自然の力に包まれた夜の世界を幼な子らしい素直さで受け入れ、ゴース(カニ)をさがすのに夢中になっていました

ロジャーはただカニを捕まえるのに夢中になっていたのだろうか…
それとも暗闇と波の音、そしてカニ。
その全部を一体として感じ、その自分を含めた世界に何かを見いだしていたのだろうか…

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激に満ちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

しかし私は、日常このような美しいものへの感動を見いだせない大人が、この感覚を失っているとは思わない。

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それは「理性」と「感性」の間にある壁を壊すちょっとした「勇気」を持つだけでいい。そうすれば、いつか見た美しい情景に出会えると信じている。

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