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「個別最適な学び」は実現しているのか?令和3年度小学校授業参観にて

ご自分が住んでいる自治体の教育大綱を知っていますか?教育大綱とは教育行政のマニフェストのようなもの。行政が子どもをどう育てていきたいのか。そのためにどんな学校であるべきかなどを定める基本理念です。

今、新学習指導要領が改定されたのを機に、新たな教育大綱を打ち出す動きが各地で起きています。(中日新聞より)

というわけで私の住んでいる自治体の教育大綱はというと、
岡崎市では大綱に代え、「学校教育等推進計画」(令和3年1月)が閲覧できた。

1、教育理念
「未来を拓き 豊かに生きる力をもった子どもの育成」〜自立・共生・創造を目指して〜
2、基本目標
基本目標1  未来を生きる資質・能力を育成する魅力ある教育を推進する

基本目標2  子どもの多様性や特性を認め、可能性を伸ばす教育を推進する
以下省略
3、施策の展開
今後5年間で重点的に取り組むべきこと重要事項として位置付けます。
 
 1、学び方改革の推進
 一斉教授型授業からの脱却、個に応じた学習展開、アクティブラーニングなど、学び方の多様化が進み、様々な形態の教育が生まれています。技術革新に伴い、ものの見方・考え方が変容していく中で、これからの時代を生きる子どもたちに必要な能力を習得させることが求められています。
【主な取組】
・誰一人取り残さない個別最適化された学びの研究
・新学習指導要領の着実な実施
・子どもたちの共生の心を育む教育活動の推進
 2、子どもの多様性や特性を認め、伸ばす教育を推進する
 少子高齢化の進行、国際化の進展、性に多様性など子どもたちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。それぞれの教育的ニーズを把握し、多様な社会に対応した、きめ細やかな指導・支援を行うことが求められています。
【主な取組】
・いじめ未然防止の徹底
・校内フリースクールなります拡充
・外国人児童生徒への指導・支援の充実
・生育環境に応じた適切な支援の充実

…どうでしょうか?

「令和の日本型学校教育」という中央教育審議会の答申があり「全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現」に可能性を見出していた私には、ツッコミどころ満載です。

「可能性を引き出す、個別最適な学びの実現」と言っているのに、上記の「3、施策に展開」において1、学び方改革の推進の【主な取組】では、「誰一人取り残さない個別最適化された学びの研究

「研究」になっている...、えっまだ研究段階?教育大学や教育大学附属小中学校で研究してなかったのか?

実際に学校現場を確認すればわかると思い、次男が通う小学校の授業参加に4月24日に行ってきました。

「道徳」の授業だった。
道徳は2020年から「教科外活動」から「特別の教科」に格上げされ、週1時間というのは変わらない。

さすがに道徳の授業ならグループディスカッションか?と思ったら、従来通りの形式...

・長所を伸ばすのはなぜ良いことなのでしょうか?
・自分の良いところを知るのはなぜ大切なのだろうか?

先生 「では今から2分間で、プリントに自分の意見を書いてください」
その後、
先生 「では、意見が言える人は手をあげて発言してください」
児童たち 「はい、はい、はい・・・」

変わってない...、何も変わってない...

その後、全員で教科書を読む...

これは「研究」すらしていないんじゃないかと思ってしまった。

なんだこの温度差は?公立学校の先生は社会の変化を感じていないのか?
確かに私がこれで学校教育が少し良くなると思ったのは「中教審」の答申だ。
それを受けて自治体の教育委員会も「学校教育等推進計画」を立てている。

立てた先の現場の先生が授業形態、子どもたちの学び方を変えていかないと絵に描いた餅だ。

今後どんな展開になるのか...
現場の先生は「変化の大きいこれからの社会を生きていく子どもたち」のために知恵を絞っていただきたい。


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