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「NHK特集 富山湾」

NHKBSで放送していた「NHK特集 富山湾 不思議の海を探る」を録画して視聴した。

70〜80年代のNHK特集や新日本紀行などの再放送は、昭和の香りがして、私、大好きである。

昭和の香りというのは、説明しづらいのだが、地域の風土に根ざした生活がまだ残っているという感じである。

先日3泊富山に旅行して、いろいろ見て回ったおかげもあって、非常に興味深かった。

富山湾というのは、海底深く、地形も複雑で、いろいろ不思議な現象が起こるそうだ。

魚津では、蜃気楼が見える。私も蜃気楼の見える浜辺に行ってきた。

蜃気楼の仕組みについて説明していた。海のすぐ上の気温と、海から10メートル以上うえの場所と気温に差があると、大気がレンズのような役割を果たし、魚津から富山湾を挟んで見えるの建造物が、伸び上がって見えるということだそうだ。

夏場に道路に「逃げ水」が現れるが、あれも蜃気楼の一種である。

番組では、蜃気楼が出ている最中に、無線を使って、富山の海辺に鏡で太陽光を反射させると、魚津ではその反射した光が、縦にいくつも現れるという実験を紹介していた。

なんなら蜃気楼用の建造物を立てて、もっと蜃気楼のイリュージョンを演出したらいいと思うのだが、そういうことはやらないらしい。

ダメなのかね。観光資源を人為的に作って蜃気楼を演出するってのは。

でっかい人形置いて、蜃気楼でそれが変化すれば、面白そうだが、地元の人のあれこれでそういう企画がなんども潰されていそうだ、と何となく想像。

YKKという窓のサッシの会社がある。創業者が魚津出身で、今は窓のサッシを作っているメーカーである。現在、日経新聞にそこの社長の「私の履歴書」が掲載されている。蜃気楼が出ると、無線で町民に知らせるのだが、その無線の隣にYKKの大きな看板があった。

YKKは魚津市のお隣の黒部市の開発など積極的に行なっているらしい。

あと、魚津には、埋没林というのがある。

埋没林博物館みたいなのがあって、時間がなくて行けなかったのだが、要するに、一千年前の林が海中に沈んでいるというのである。

番組によると、地元のダイバーがたまたま見つけたらしい。

海中に何千年か前の木の切り株見たいのが埋まっているのである。なぜ腐らずに残っているのか、詳しい説明はなかったが、埋没林のあるあたりからは立山連峰の豊富な湧き水が噴出しているらしい。海水の濃度が低いみたいだ。

あと、深海艇で富山湾の紅ズワイガニを撮影していた。紅ズワイガニの漁獲法が見つかったのは、1960年代らしい。80年代に放送されたこの番組で、紅ズワイガニが食べられるようになったのは、ここ20年だと解説していた。

昔から食ってるわけではないと知って、意外だった。

あと、ホタルイカの身投げである。

魚津のホタルイカはほとんどメスで、なぜか春先にここだけ、大量発生して、浜辺にまで打ち上がる(これを『身投げ』という)という。

身投げというと、色街にある投げ込み寺みたいで、陰惨な感じがする。

ホタルイカそのものは、日本全国各地にいるのだが、富山湾の複雑な地形のせいで、ここでだけ産卵期にメスが浜に上がってくる身投げが起こるらしい。

私、魚津のスーパーで、閉店間際に半額になったホタルイカを買ってホテルで食った。あんまり食い過ぎて、途中、気持ち悪くなった。フライドチキンも買っていたので、無理して食ったら、ホタルイカと食い合わせが悪かった。しかし、なぜ、からし酢味噌がホタルイカにマリアージュするのだろう。

あと、滑川の寄り回り波という現象についても解説していた。

不思議な高波が起こるのである。

富山湾は、浸食が激しく、ナン百億円も掛けて、テトラポットを海岸に入れたり、防潮堤を立てたりしている。

とまあ、とりとめのない紹介になったが、行ってみたらわかることがたくさんあって、食い入るように番組を見てしまった。

創作意欲が湧くようないろいろなことを感じたのだが、またそれはそれで、作品にでもしたい。

(おわり)





お志有難うございます。