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お金の話をしよう

もっともっとお金の話をしよう。
芸大で非常勤だったときには「学生が知りたいことを教える」みたいなユルフワぶっつけ本番勝負みたいな講義をしていた。ゼミくらいの規模だったことと、誘ってくれた先生が寛容だったからというのもある。

もう数年前に辞めたけれど、いい勉強になりました。そして学生はお金にすごい興味がある。芸大に限らずお金の講義はもっと大学とか高校とかですべきだと思っている。


給与は自己申告制

社員たちはドギマギしただろうが、お金の考え方が少し変だ。
まず給与は年俸制。金額は自己申告。そこからの交渉を半年に一回設けている。「言い値」というか、意外とみんな自分の金額をわかっていない。昔からそう感じていたのでNue incは創業からそうしている。

以前の職場はこれだけもらってたから…は参考にならない。
今年はこれだけ業務に貢献したから、こんくらい、というのも違う。
こっから先はこんぐらい結果残そうと思うし、こんくらいくれ!が正解。
あ、松倉にとっての正解であって、経営者人それぞれ違うと思う。

過去の実績全然見ないのか?となると少し違う。
仕事以外で何と向き合いチャレンジしてみたかを見させてもらっている。
子育てもがっつり向き合ったし、仕事も貢献できた!その両立具合とかみてね、すげーじゃん!ってなるわけ。新卒だったら、仕事は基礎を覚えたけど、プライベートでこんなプロジェクトはじめました!とかすげーじゃん!ってなるわけ。

そのすげーじゃん!の部分にお金をぶっ込みたいと思っている。
こんだけ稼ぎました!ってのも大事だとは思うけど、それだけの尺度で見るとお金が死んでいく気がしている。


未来を含んだお金の見方

会社全体もそう。まず最初に目標の数字を立てます。これは経営者にとっての目標であり、自分との約束だと思っています。
これは未来に対しての約束。経営者としては、それを未達で終われば約束守れなかったので報酬を減らしたりすればいい。なので社員の年俸は未来への約束だと思っている。

大口叩いて1000万くれや!とか言ってもいい、けど本当にその約束を果たせるのかを一度考えることになると思う。未来への約束は、必ず過去の振り返りが発生する。よく聞く給与の計算は「過去を振り返って試算」ってのが多い印象がある。それをもう少し目線を前にしたいなという思いがあった。

これまでこうだったから、給与あげてください!ってのが過去ベース過ぎて、間違ってないんだけどポジティブさに欠けるなと思ったからなんです。


自分の価格をどうあげていくかを考える

過去を振り返って自分のスペックを把握したときに、必ずできてないことが見えてくる。自分の弱点と言う名の「伸び代」を把握することがすんごい大事なだと気づいたんです。

でね、うん、できてたぞ自分ってときもあるじゃないですか。
その時に自分の金額わかってると、次にチャレンジすべきことってのも見えてきてると思うんです。成長の階段登ってる時。次の段が見えてる。
その時、年俸交渉が発生する。「次、ここ見えてるんで挑戦していきます!なので年俸はこんくらいあげてください!」ってのが僕にとって超健全な交渉の仕方だなと思っています。

ここまでできた。次はここまで行きたい。そこを応援するための投資であり、未来への約束の責任として給与があがる。
経営者としては社員が育ってくれることが一番のチーム力アップ。
社員の給与は「仕事ありがとう+チャレンジへの支援」と捉えてみよう。
そう思ってNueの給与制度をやってみています。


無知な僕でも向き合うことで学んでいけた

まだこの方法、道半ばで正しいのかうまくワークするのかわかってないです。でも、こんな小さな組織だからこそ自分たちにあったお金のあり方というものを試しながら確立していけないかと日々模索しています。

そのぶんね、投資も含むからいっつも口座見て、ヒヤヒヤするけど。
いつかそれはお金なのか何か別の形になって大きなギフトになる気がしています。社員はいつかやめてしまうし、投資だと思わない方がいいよってアドバイスもたくさんもらったんですが、うちの資産って人しかなくて、そもそも他に投資する先がないんです。設備なんてPCくらいだし。社員の体と心の健康が一番大切だったりします。まぁ、いい時代だなとも思うけど。


ノルマじゃなくて、死なない金額を発表する

だから、うちではお金の話はバンバンしていきます。
案件のもそうだし、給与のこともそうだし、話す機会が多いです。
あと毎年「死なない金額発表」ってのをしています。今期はこんくらいいったら僕らの生活は守られます。それ以上稼ぐと休暇にするか、やりたいことへの投資にするか、振り分けていく感じ。1ヶ月とか休みたいしね。バカンス。なので稼げるだけ稼げって選択肢はなくて、稼ぎ過ぎた分は会社の未来への投資か社員の未来への投資か、休暇への投資に分かれていきます。


そんな感じで僕は友達たちと飲むとお金の話けっこうします。
お金の話ってなんか黒い感じでているのが日本だったけど、もっともっとお金の話をしていいんだって経営者になってから気付いたこと。
まだまだ勉強中だから、いろんなお金の話をしたり、聞いたりして知識を増やしていきたいし、お金を生きた使い方していきたいなと思っています。

これも1期目に死んだお金を作ってしまったことの反省から、ここまで考えてこれたってのがあって、そんくらいお金って面白いし不思議な存在。

もっともっとお金の話をしよう。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。