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絶妙に下手な絵

今日は町内会の食事会に参加していた。
もう我が家以外、結構な高齢で僕と同世代とかまずいない。子連れもウチだけでバイキングをむさぼる。

なんか子供用の器ないかなと器コーナーを探っていると、これだ!と手に取った2秒後に本能的に写真を撮っていた。

なんだこのすごいバランスで下手なイラスト!
大きな黒目も虚無のように視線が微妙に合わず、ほんのり怖い。その塩加減と描かれる釣りの風景。
最高じゃん。一目でわかる狙わずしての天然的な狂気。

パパ、見つけてもうた。見てこれ!
と子供に見せると、なんだこれー!と大騒ぎ。
僕が子供世代の頃には、薄っすらあった絶妙な下手さが今の時代なんかもう完成され過ぎて、ちゃんとかわいい、ちゃんとカッコいいものが多い。

我が子たちは完成され過ぎたそういうものばかり触れるのだなと、かつて思って町に潜む絶妙な狂気を見つけては、パパ見つけてもうた!と共有してきている。
やたら収集しまくった人形を異常に飾る理髪店のショーウィンドウや、古い喫茶店で頼むジュースのコップの絵。

それらはレトロだから良いのではなく、今の時代に失われつつある表現の面白さだと思って子供に伝えている。ある時から今日みたいな絵を見せて、どこが良いかを父の意見として伝えるようになった。子供たちも最初はヘタクソーと笑っていたけどイヤイヤちゃうでよく見てみ自分らより上手いやんっていうと納得した。

子供が大きくなる頃にはこういうもの絶滅しているかもしれない。なんでも手に入る時代に、こういうものは二度と手に入らないのかもしれない。
いるか?って言われたら要らんけど。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。