僕も君も同じ場所にいた。

新しく新卒が入り、今後のキャリアについて話をする機会があった。
果たして僕が素晴らしいキャリアを築けたかはわからない。しかし、今日に至るまでに気づいたことというのもたくさんある。社会人スタートして2週間たって、いろんな不安もあるだろう。何かおじさんにでも伝えれることは伝えておこうと思った次第。

乱気流な未来にどう生きる?

僕は面白い!と思っているし、人によっては暗い顔をするかもしれないが、僕たちが暮らす日本は色々どうあがいても今の大きな流れの中で右肩下がりの成長というか老いを生きていくことになる。
10年前のとあるトークイベントのモデレーターをしていた時、大先輩が言っていたのは掻い摘んでいうとこういっていた。

「日本の経済は低迷していくと見える。でも視点を世界に向けると世界の経済はフラット化を目指していく」

目から鱗だった。そうか、近視眼的に見ると転げ落ちる様を転げながら見ているのだろうけど、企業が国境を超えて、国より企業の帰属が重要視される未来だって予想できる今の時代、国という古い枠組みで見ていると間違った見え方になるのだと痛感した。

しかし、日本が下り坂なことなのは仕方がない。
熱したお湯も時間が経てば冷めていく。では、あなたはどう生きる?
僕は温度を上げていける人間でありたいと思った。みんなと同じ20代の前半になんの自信もないけれど、少なくとも僕のまわりの温度は上げていきたい。熱は伝播するからまずは自分から変わっていこうと思った。

どう生きる?ではなく、どう生き延びるか。

新人の頃は仕事で必死だ。でも、それでもうっすら分かる大人たちの戦略。
商売は限られた座席を取り合う知識の戦いだと思った。学生時代に比べて、圧倒的にずる賢さが多い。自分らしく!とかではない世界。自分らしく仕事ができるのは力がなければ実現しないとすぐに気づいた。

働く前から自分らしい仕事を求めるのは青二才だと青二才の僕は思った。
だって、先輩たちはこの仕事を10年以上やってるプロ中のプロ。そんなスキルや知識を目の当たりにして「自分らしさ」という空っぽのお皿を持っている自分のらしさとか笑笑笑となった。

そこから10年たって、大人にとって大事なことは自分の力量を第三者目線で観察できるかだと思う。たった20数年で見つけた「自分らしさ」的なものは、果たして本当の君だろうか。社会という戦いの中で見つけ出す物事の方が僕にとっては圧倒的に本質を伴うものだと経験を通じて思うのだ。

その時、僕はどう生き延びるか。という思考にスイッチした。
同世代の新卒をライバルだと思っていた自分を恥じた。全員がライバルだ。
だってビジネスには年齢の上下なんて何の意味もない。求められるの実力だけだ。どの技を身につけ、他が持ってないものを獲得して、どんな武器があれば、この時代を生き延びれるか。それだけをかんがるようになった。

そもそも会社は守ってくれない。

普通に会社は潰れる。そもそも今、日本経済がそういうフェーズだと自覚しよう。
そして、速度も恐ろしく早い。君たちの親が過ごしてた日本とは別物だと思う。激流の中、僕らは生きていく必要がある。そして、大きな企業在職しているのに経済的理由で破産やリストラで転職が効かない年齢で会社を離れる人をたくさん見た。安定した時代に働き育ってきた上の世代を見ている。たくましく生きていく人ももちろんいる。でも多くの人が苦しい顔をしていた。

会社は僕らの親ではない。自分が死にそうだと自分を守る。
全ての会社とは言わないが、多くがそうだと思う。それが会社という仕組みだから。僕ら働き手の暮らしを守るという前提に利益を上げ社会を動かしていく大きな目的がある。その大きな目的が破綻するのであれば、僕らの暮らしを守る約束は果たせなくなる。そもそも契約上、守ることは書かれてないけどね。

なので社員は会社に貢献していく必要がある。
そこに自分らしさを求めることはあまり本質的だとは思えない。
では、自分らしさはどうしていくのか。武器にするしかないと思う。
結論から言うと、他にない「歪な存在」を目指すこと

僕が目指した「歪な存在」とは

名刺に肩書きがある。ディレクターとか、プランナーとか、クリエイティブディレクターとか色々あった。
新人時代、それをまじまじ眺めて「ここに縛られる」と思ったときがあった。ようはプランナーと書けばアイデアの人になるし、クリエイティブディレクターといえば全体のクオリティをコントロールする役割も出てくる。

でも、クリエイティブコントロールもできて、アイデアも考えれる人だっているよなと。そうか、肩書きからはみ出せば良い。そう思った。それってなんだろうとしばらく考えたら「歪さ」という結論に至った。

これからの時代、ワンスキルで生きていくのは難しいと思った方がいい。
特に過去の肩書きで枠組みされるスキルで生み出すものは過去の枠組みをはみ出さない。人は常に新しい何かを求めている。価値は常に更新されていく。そんな時代に出来るだけ「意味にとらわれない状態」を生み出せるかが生き延びる術だと思ったのだ。

例えば、君が料理が好きだとしよう。でも仕事は営業。メインの仕事は営業だ。手持ちの武器は「料理」「営業」が今のところだ。では、これに何を足したら結合しあって面白いことになる。例えばここに「言葉」を足す。料理が得意で営業もできて、しゃべりもしくは文章のスキルがあるプレイヤーが登場する。これらスキルを使って今まで見たことのないスーパーを打ち出すかもしれないし、食材や調味料メーカーで欠かせない存在になる可能性がある。

歪な存在というのは基礎体力(ここでは営業力)に加えて、自分らしい「料理」と、これらをブーストする「言葉」を自己獲得していくことで実現する。例えば一般的に育つと円状のスキルが形成されるとすると、1個だけ突出した尖が生まれる。これが歪の始まりだ。そして、肩書きはなんだろう。この人の仕事を表現する言葉はもう作り出すしかなくなる気がしない?

まるは転げ落ちる、歪な奴は踏みとどまる

丸いとコロコロ坂を下っていく。でも歪だとどうだろう。ぐさっと踏みとどまれる可能性が広がる。

今の僕にとっては、この尖をいかに増やしていけるか。超歪な存在になることでこの時代を生き抜いて、無数の傷跡を残していきたいと思っている。なので冷静に今の自分のスキルセットを眺める。これに何を加えたら面白い存在になるか。スーパーニッチになるじゃないかと突っ込まれるかもしれないが、無数のニッチの尖をもっていると変わりの効かない人材になれる(と思う。まだ道の途中)。

その歪さをいくつか獲得しだして、やっと「自分らしさ」が獲得できる。
多分、今、新人で「自分らしさ」をしっかり持っているのであれば、それをもっと尖らせて隣の棘を作っていくことをオススメする。今まだ小さい鋭利さが足りない棘であれば、もっともっと育ててから自分らしさを問うといい。もしくは飲み屋で考えよう。なぜなら、バレると折られる棘もあるからだ。そこはずる賢くひた隠しにし誰もいないところで磨き上げると良い。

ずる賢く、上と自分だけを見よう。

同世代のスタートが同時に4月に起きた。
ついつい横を見て自分の位置を確かめたくなる気持ちもあると思う。
でも、その数秒ですら無駄だ。あまり意味がない。当時、僕もそこにいたからね。もうスタートを切ったら、僕や君は同じフィールドでがむしゃらに生きる同じ人間だ。疑問を多く持っているなら自分をしっかり見てあげよう。何か向かう先が見えたのなら、その先だけを見よう。他の人たちは気にするな。

自分の向かう先が見えたら、その先だけを見ているとある人に出会う。
その人は、確実に君の追い風になる。必ず会おう。話そう。問おう。
歳は10以上も上かもしれない。自分のこうなりたいをぶつけてみよう。快く、その言葉のボールを受け取ってくれるはずだ。なぜなら、後ろからやってきた君は、かつての自分と同じだからだ。必ず真摯に対応してくれる。

そのように生きてると友人たちが年上の人だらけになる。
今度はその人たちからどんどん学ぶんだ。それぞれ違ったベクトルの歪さをもっている。先輩たちから盗んだ棘はあなたの中でハイブリッドに育って、あなたを一層、次の段階へ推し進めてくれるだろう。

傷を舐め合う仲間ではなく、スクラムできる仲間を見つけよう。

そうこうしてると周りの同世代は減ってくる。
でも、時折自分と世代も近く、価値観も同じ人間が出てくる。
そいつと酒と言葉を交わそう。その存在は君を加速させる素晴らしい仲間になる。

同期同士で付き合うのはもちろん良いことだ。でもそこに依存してはいけない。気がつけば愚痴しか言い合わない間柄になる。その時間は人生の中でも壮大な損失だ。時間は有限だ。たまにはそういう夜があってもいいだろうけど、1年で1度でいい。あと30前後になると結婚式や同窓会で自然とそういう時間が増える。その時だけで十分だ。

夢中の先で出会った仲間はライバルであり、最高の仲間でもある。
お互いの歪さを理解し、協力もしくは競争し合おう。二人合わせて遠いところまで連れて行ってくれる関係性になる。

あとは暗闇に飛び込むだけ。

この辺りまで来ると20代後半かもしれない。早い人はもっと早いはずだ。
色々と実力をつけて、自分でできることも増え、仲間を誘えばもっと大きなことができる予感を得られる。

あと君がやるべきことは、目の前の真っ暗な闇に飛び込む勇気だ。
だって、人は新しいことを求める。価値の書き換えも望んでる。新しい風景を見せて欲しいと切望しているのだ。まだ誰も足を踏み入れたことのないフィールドに突入する。その先には、途中で出会った先人もいない。君が先陣を切るのだから。

でも、自分をよく見るんだ。
ここに来るまでにたくさんの武器を得た。立派なものだ。
ほら、後ろをみてごらん。大丈夫と頷く仲間がいる。
君はもう一人ではない。頑張って研ぎ澄ました武器も、信じあえる仲間もいる。そこでやっと君は「自分らしい」一歩を踏み出せる。

僕も君も同じ場所にいた。

今、僕は暗い誰も歩いたことのなさそうなフィールドを歩いている。
不安もある。成功する?そんなのわからない。だって誰もやってないんだから。こっから先は過去の出来事なんて参照できない新しいページだ。一歩一歩が成功させるための工程だ。

ここまでが僕が伝えられることの全てだ。
こっから先はもっと進まないとわからない。
でも、スタートラインは一緒だった。君たちと同じところにいた。
他の人より遠く来れたかわからない。周り何もないし誰もいないからね。

もちろん不安だってある。一緒。新人も35歳のおじさんも。
そのうちしばらく歩くと僕らと同じところに来ると思う。
新人時代の不安はなんだったのかって思う年齢くらいかな。

でも、その先もまだまだあるよ。
すごい面白いんだ。見たことな生き物とか思想がある。
まさしくニューワールドな予感がする。この先ですごいものを見つけ出せることだけを今は考えてる。あと数年したら、こっちちゃうかったわ!って大声が聞こえるかもしれない。必ずいうよ。

でも、すごいもの見つけても同じことをいうだろうな。
誰かの歩いた道は意味がなくなる時代がくるよ。
君の武器で、君の意思で、君の仲間と選んだ道を歩いて欲しい。

世の中にすごい人はいないと思っている。
いるのはすごい歩いた人か、ちょっと休みすぎた人のどちらかかな。

それでは良い旅を。

Photo by Yogendra Singh from Pexels

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