「孤独」と「有難い」

もう何時頃からか思い出せないほど、アイデアは一人で考えるものになっていた。本当は何人かで考えるのが楽しくて、いろんな視点があって加速して行くのを知っている。サラリーマンだった頃、アイデアを出すのは僕と社長だけだった。でも、わいわいアイデアをキャッチボールする感じがとても好きだった。

ぬえになってから1年は一人で働いていた。悠々自適なものだ。起きて仕事してお腹すいてご飯食べて、寝る。365日繰り返して働いてるのか休んでるのか全てが曖昧だった。暮らしそのものがアイデアを考えることに繋がっている。休みたいなぁともさほど思わなかった。おそらくはサラリーマンほど僕は働いていない。その代わりお風呂でも布団でも何か思いつく。これは休んでるのだろうか、働いてるのだろうか。

自宅デスクでは基本一人で仕事をしていた。数ヶ月で孤独にもなれ、猫に話しかける頻度が増えて、時折危ないおじさんのように感じた。今は仲間が増えてくれて、アイデアやコンセプトや制作進行を隣で勧めてくれている。あーだこーだと会話しながらヒントが溢れてくる。そこから広げて、自分一人では発想できなかったものが生まれる。ありがたいとおもった。

有難いって「有ることが難しい」って書くんだって樹木希林がいっていた。
本当そうだなと。誰かがいればそれでいいのではなく、たくさん応募してくれた中で直感的に良いなこの人となった。その人の何がわかるのか。たった数回と文面だけでわかるものは限られている。概ね直感に従って採用の連絡を入れた。一人採用のつもりが二人も採用してしまった。でも、それも直感。仲間の存在は本当に有難い。

今まで一人で歩いてきたわけで、あっちの方行こうと思ってるんだわって結構な険しい道無き道を面白そうだから付いてきてくれてるに近い。いつも僕はなんとかなると思ってるし、なんとかしていくのがこの仕事なんだと思う。ちょっと向かいたい先が明確にあるので、一人で歩くことをやめて仲間を増やした。

一人は楽だ。楽だけど孤独だ。チームは大変だ。大変だけど学びが多い。
二日酔いの抜けぬままてくてく歩く。時折千鳥足。今日は疲れたから鴨川でも眺めよう。真面目すぎた!コーヒーしばきに行こう。こんな緩い会社だけれど、仲間がいないとこういうこともないのだなと。孤独だった自分に教えたい。採用動くの遅すぎやで。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。