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ラテン語の格言 (09) 「正義を伴わなければ知恵は力を発揮しない」

Sine justitia nihil valebit prudentia.
 (正義を伴わなければ知恵は力を発揮しない)

 この格言は、知識や知恵が単なる情報の集積や理解にとどまらず、それをどのように使うかが重要であることを示しています。知恵は、それをどのように適用し、人々の生活や社会に良い影響を与えるかという観点から評価されるべきです。
 ここで、「正義」という概念が重要な役割を果たします。正義は、倫理的な行動、公正、そして他者の権利や福祉に対する敬意を含みます。知恵が正義を伴うとき、それは単に知識の展示や個人的な利益追求の手段ではなく、より大きな善のために用いられます。この格言は、知恵を持つ者にとって、その知恵を公正に、そして道徳的な枠組みの中で使用する責任があることを思い起こさせます。
 この格言は、賢者と呼ばれる者は、単に情報や技能の習得者であるだけでなく、それを人々の福祉と社会の公正のために用いねばならないと教えています。知恵は、その持ち主に大きな力を与えますが、それが正義に基づかなければ、誤用・悪用される危険があります。したがって、知恵と正義は不可分であり、共に働くことで社会に真の恵みをもたらします。

Nunquam periculum sine periculo vincemus.
 (危険を冒すこと無しに危険は克服できない)

Veni, vidi, vici.
 (来た、見た、勝った)
 ※ジュリアス・シーザーの言葉 「ローマ皇帝伝」より

Audentes Venus juvat.
 (頑張っている人をヴィーナスは祝福する)

Quod non opus est, asse carum est.
 (不要なものは無料(タダ)でも高い)
 ※セネカ「道徳書簡集」より

Major videtur vicina seges.
 (隣の畑は大きく見える)
 ※ユウェナリス「諷刺詩」

Nisi credideritis, non intelligetis.
 (信じることが理解の始まり)
 ※原文直訳は「信じない限り理解はできない」

Vinum et musica laetificant cor.
 (ワインと音楽は心を喜ばせる)

Abusus non tollit usum.
 (誤用は正しい利用の妨げにはならない)

Faber est suae quisque fortunae.
 (誰しもが自分自身の運命の創造者)

Nil desperandum !
 (絶望しちゃダメ!)

Parturient montes, nascetur ridiculus mus.
 (山が産気づいて、滑稽な鼠が一匹生まれた)
 ※日本では「泰山鳴動鼠一匹」と訳される

Corruptissima re publica plurimae leges.
 (国家は腐敗するほど多くの法律を作る)

Litore quot conchae, tot sunt in amore dolores.
 (浜辺に貝殻があるように、恋には悩みがある)

Rem tene, verba sequentur.
 (主題がゆるぎなければ、言葉は出てくる)

 (2010年3月1日から3月21日)


正義を伴わなければ知恵は力を発揮しない

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