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【一部有料】マーケティングにおける動画コンテンツについて        ~そもそも動画って?どんな効果がある?運用や業者を選ぶポイントは?効果測定はどうやる?~

こんにちは。BtoBマーケターです。
私はこれまで中小規模のBtoB事業会社に複数在籍し、マーケティング業務に従事してきました。

その実務経験の中で、疑問に思い直面したこと、試行錯誤したことやその解決策、「BtoBマーケティングあるある」を、noteでまとめていきたいと思います。

さて、コロナ禍においてBtoB領域でも「動画コンテンツ」に注目がどんどん集まるようになってきました。

これまでBtoC企業が出稿のメインだったテレビCMでもBtoB企業のCMを見かけるようになり、また在宅勤務・テレワークの普及もあってか、経営陣から「ウチもそろそろ動画に力を入れよう!」と発破をかけられ着手せざるを得ないことになったBtoBマーケターも少なからずいるのではないでしょうか。

とはいえ、リード(見込み客)を獲得することがメイン業務のマーケティング部署・担当において、カタログやチラシといった印刷媒体でなくWebコンテンツでもない「動画コンテンツ」をどうやって運用したらよいのか、どんな効果があるのか、というのは、なかなか正解を見出せないことも多く、「必要性は感じているけどどう手掛けていけば・・・」と二の足を踏むか、よくわからないまま着手することもあるのかなと。

そこで今回は、BtoB領域を中心に「マーケティングにおける動画コンテンツ」についてまとめます。

この記事では、事業会社に在籍時、経営陣・マーケティング部署内で共有するために作った当時の資料をもとに、最近の情報も踏まえつつ、これまでの実務を通じてまとめていきます。

また有料ゾーンでは、実際に動画コンテンツを制作・編集する方法や、制作業者さんを選定するポイント、効果測定についてまとめていますので、興味ありましたらご覧ください。

■動画広告市場は年々拡大傾向

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株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)のプレスリリースによると、2020年の動画広告市場は、昨年対比114%の2,954億円に達する見通しとのことです。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内経済に影響が及び、外出自粛により自宅で商品・サービスを消費する巣ごもり需要が増加し、広告市場もオフラインからオンラインにシフトする中で、幅広い世代で動画コンテンツの視聴時間が大きく増加しました。

また、スマートフォンの動画広告需要は、昨年対比115%の2,635億円で、動画広告需要全体の89%を占め、今後も特にスマートフォン動画広告がけん引し、2024年には6,396億円に達すると予想されています。

■動画コンテンツの主な表現パターン

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さて、そもそもとなりますが、動画コンテンツの表現パターンとしては主に下記の4種類があります。

●実写
商品の「モノ」としての魅力をリアルに伝えたい場合やキャストを使って商品・サービスの利用シーンを見せたい場合、実際に働いている職場を見せたい(リクルート)、会社の雰囲気を伝えたい(社内インタビュー)などに適しています。

制作期間とコストは、動画の構成や出演者のキャスティングによって変わります。またロケが必要な場合は許可を取る、スタジオ費用が発生することもあるため、総じて金銭的・時間的なコストがかかる傾向です。

例1:インタビュー撮影
「【ビズリーチ】freee様 導入事例インタビュー」
https://youtu.be/Cc-gxvlM8A0
例2:商材撮影
「ふとん乾燥機カラリエ ツインノズル『FK-W1』紹介」
https://youtu.be/YFUVIwO7KxM
例3:キャスティング込みの撮影
「ストレッチパンツ専門店『B-Three』の商品紹介」
https://youtu.be/tH1mnlcYp-Y

●アニメーション
言葉や写真だけでは説明が難しい無形のサービスなどの紹介に適しています。

制作期間とコストは、実写と異なり構成や演出の内容に関わらず基本的には尺数によって変わるという点。
一般的には、2Dアニメーション・インフォグラフィックの場合であれば、アニメーションの方が実写よりも低コスト。
セル画アニメーションだと、一枚一枚制作して撮影に至る工程が多くなるため、必要となるコストの桁も大きく変わります。

例1:セル画アニメーション
:セル画を1秒間に24コマ送ることで表現する手法。
「国内ブランド『OLIVE des OLIVE』のプロモーション動画」
https://youtu.be/rAxx17rSeW0
例2:2D、2.5D、3Dアニメーション
:イラストレーターが作画した平面のベクター画像を関節で分けてポイントの動作で動かす手法。
「マイクロソフトが提供する『ID統合サービス』の紹介動画」
https://youtu.be/s6H0csaQ8IY

●インフォグラフィックス
情報を記号化し、図やグラフなどのビジュアルデータに動きや音楽、ナレーションを加えて映像化することで直観的かつ視覚的に表現する手法です。
抽象的な概念を具体的な活用シーンに落とし込む時や、数値データを簡潔・明快に説明するのに適しています。
短い映像の中に多くの情報を盛り込むことができるため、最近の動画マーケティングにおいて注目を集めている手法の一つです。

例:「日本国について2014年データ」
https://youtu.be/cAo1hrkPeKM

●3DCG
形ある商品のCADデータがある場合に「リアリティを出しながら実写では撮影できない精細な構造を表現したい」というニーズに応える場合と、「視覚効果的にアニメーションに奥行きを持たせ世界観に深みを出したい」場合に用いられています。

例:「動画のワールド 動画撮影・動画製作・CG/3DCG制作」
https://youtu.be/oT4dtO3f8Oo

※2021年7月時点の情報をベースに表現パターン例をまとめています。
詳細に関しましては念のためご自身でご確認ください。

■動画コンテンツでどんな効果が得られるのか?

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●動画コンテンツの役割
情報量が多く、拡散されやすい傾向があるのが動画コンテンツです。
1分間の動画が伝える情報量は、180万語分、3,600のWebページ分に匹敵するともいわれており、テキスト、写真だけの場合と比較して5,000倍の情報量といわれています。また動画コンテンツはクリックされる率も高いため、閲覧してもらいやすいといえます。

Webサイトなどに動画コンテンツを配置することで「滞在時間がアップする」効果が見込めます。動画コンテンツが設置してあるWebサイトには平均的に88%長く滞在すると言われています。

つまり、知名度や認知度を高めるための『ブランディング』用途としての役割に適しているといえます。

●意識フェーズごとに適した『動画コンテンツ』例
「関心・課題認識」「情報収集」「比較検討」「購入・受注」のそれぞれの意識フェーズごとに適した動画コンテンツは下記図の通りです。意識フェーズに応じたシナリオの設計、コンテンツ作成が大切です。

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●動画コンテンツのメリット
動画コンテンツのメリットとして、LP(ランディングページ)内に設置すると、Googleの検索で1位に表示される可能性が「53%」高くなるという調査結果があります。Googleなどの検索サイトでは、今後も動画コンテンツが重要視されるようです。

なのですが、動画コンテンツが直接的に検索順位を上げるということではなく、あくまで「間接的」に影響を及ぼすようです。

具体的には、検索ユーザーのアクションとして下記を誘引しやすくなるという特徴があります。

・クリック率が向上する
動画によりCTR(クリック・スルー・レート:クリック率)が高まる。

・被リンクを獲得しやすい
Googleにおけるランキング要因のトップ2は「リンク」と「コンテンツ」。

・滞在時間が伸びやすい
滞在時間が長いから順位が上がるわけではありません。欲しい情報が見つからないから伸びる(×)、気に入って滞在が伸びる(〇)。

つまり、検索エンジンの最適化=SEO対策にも有効ということです。

●動画コンテンツの課題
動画コンテンツの課題としては、ほかの種類のコンテンツと比較すると「制作労力とコストが多く発生する」という点です。

動画と写真で比較した場合、写真の5,000倍の情報量が動画には入っているといわれています。その分、動画は静止画よりも撮影や編集、加工が複雑になります。

コロナ禍による在宅勤務・リモートワークの普及、オフラインからオンラインへシフトする中で、動画コンテンツに注目が集まっており、自身で制作・編集・加工できるツールやサービスもどんどん普及しています。

とはいえ、カタログやチラシなどの印刷媒体やWebコンテンツと比較すると動画コンテンツの方が制作労力やコストは多くかかってしまいます。

制作労力の場合、「3分の動画を編集するのに3時間かかるなんてザラ」なのです。また、単にツールやサービスを導入したからといって、制作や編集に関する基礎知識やノウハウがなければ長い時間がかかることになりますし、作れたとしても「素人感満載」「手弁当」なコンテンツになってしまいます。

私自身、制作会社に在籍していたことがあるのでしみじみ感じますが「餅は餅屋」です。「ツールが使えるから作れます」というのは少し短絡的な考え方です。

動画コンテンツを用意するのは、自社のサービスや商品の知名度・認知度を高めるなどの目的のためのはずです。つまり、動画コンテンツを用意することは「手段であって目的ではない」ので、その点を常に忘れずに進めることが大切です。

■基本的な動画コンテンツの運用方法

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動画コンテンツを制作後、実際に運用フェーズに入るかと思いますが、マーケティングにとってはここからが本番です。
どういったコンセプトで制作するかも大切ですが、コンテンツの運用次第で求める成果に大きく影響を及ぼします。

一般的な運用方法としては、自社のオウンドメディアへの掲載やYouTubeに公開するかと思いますが、それぞれの運用方法について解説します。

●自社サイトで動画コンテンツを運用する方法
YouTubeに動画をアップし、その動画を自社サイトのページにリンクさせることで運用するケースが多いかと思います。
その際には、例えば『ヒートマップツール』を使用すれば、ページ来訪者に動画箇所を閲覧してもらえたのか可視化することができます。

ヒートマップ上で配置した動画周辺が暖色になっていれば視聴された=訴求できたといえます。もし、暖色になっていなければ動画まで到達されていないケースが多いので、配置変更などを行う必要がありそうです。

●YouTubeの仕組みとチャンネルへの流入を最大化させる方法
≪YouTubeの仕組み≫
・アルゴリズム:エンゲージメント(※)が高い場合、同じ属性のユーザーに表示されやすくなります。
(※エンゲージメントの指標:動画のタイトルや表示からのクリック率、視聴回数・維持率、グッドやバッドボタン、シェア、コメント、チャンネル登録者数など)
・動画コンテンツを公開するメリット:「ファン」になってもらえる、口コミの増加、認知・想起の向上など。

≪YouTubeチャンネルへの流入を最大化させる方法≫
・テーマ:エンゲージメントを向上させるために「一貫性」と「独自性」を保つ必要があります。
・テーマの「独自性」とは:ジャンルの専門性としての独自性、動画の品質という意味での独自性。

⇒自社の強みや特徴といった「独自性」をチャンネルテーマに反映することで、マーケティング施策として機能することになります。

下記の有料ゾーンでは、実務を進める中で、動画コンテンツの制作を外部発注する時にピックアップした・改めて調査し直した制作業者さんや代表的な制作・編集ツール、業者さんを選ぶポイント、効果測定についてまとめています。

「どの業者さんに発注すればいいのかな」「どんなツールを使えばよいのかな」「どうやって効果測定すればよいのかな」と思った時に使える情報をまとめています。

なかなか調べる・まとめる時間の取れないマーケターの皆さんにとって、業務効率化につながるかと思いますので、ご興味ありましたらぜひご覧ください。


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