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欧州出張記@SOC(その4:Slush)


2022年11月17日
いよいよ欧州出張の最大の目玉Slushです!
僕たちは、このSlushが持つエネルギーの仕組みや仕掛けを知りたいと思って参加しました。

Slushでは何を見るべきか?

Slushはとても魅力的なイベントです。
イベント会場は4ヶ所もあって常に何かしらのイベントが行われているし、たくさんの企業ブースも設置されています。
また、スタートアップからプレゼンを受けるためのマッチングプラットフォームも用意されていて、何社からも話を聞くことができます。

BUILDERS STUDIO でのピッチ(4ヶ所の会場のうちの一つ)

また最後の"Slush 100 Finals"(アーリーステージ・スタートアップにスポットライトを当てたピッチングコンペ。事前予選、準決勝を勝ち抜いた上位3社で行う)の質も高く、感動的でした。

"Slush 100 Finals"

ただそれでもSlushで一番エキサイティングだと感じたのはAriとの行動でした。

Ariは元EnterEspoo社(ガーデナーだった)で働いていて、今はHelsinki Innovation Service(HIS)でコーディネーターをしています。

一番左がAri

まず、HISでAriと落ち合うと、いきなり数社のイノベーターを紹介され、立て続けにピッチを受けます。それぞれのピッチを聞きフィードバックを終えたところで、メンターのNexusから全体のコメントを求められました。

ピッチ&フィードバック

ピッチを傍聴するよりも生々しいコミュニケーションで、もの凄く価値のある時間でした。

どのイノベーターも「最初の顧客は誰なのか?」については検討が甘く、僕たちがいつも使用している「PSFキャンバス」を用いたニーズの構造化を説明したところ、非常に興味深く理解してもらえたようです。

こんな感じでAriのメンタリングに巻き込まれながら2時間以上が経ち、昼食に向かうことにしましたが、なかなか辿り着くことができません。
Ariが歩いていると、次から次へと知人や友達、元同僚などがフレンドリーに話しかけてきて情報交換を始めるからです。

先日A-Gridを案内してくれたLeeもAriに話しかけてきて、現在はヘルシンキとエスポーで別れたものの、同じイノベーションの文脈の中で強い信頼があるようでした。

Leeはチャレンジしている寒中水泳(氷の下をロープを伝ったアクロバティックな泳ぎ)の動画を見せてくれるなど、A-Gridを案内してくれたときには知りえなかった一面も見せてくれました。

そしてLeeからは、こんな感じでSlushを歩いている最中にAriを媒介にバッタリ会ってネットワークを広げていくことがすごく重要だということ(まさに今のLeeと僕たちのように)、ネットワークを広げるにはプライベートを共有すること、イノベーションについてはサウナとかスタジオとか舞台装置を真似るのではなく、日本であれば温泉や道場などそれぞれの文化に適した舞台設定をすべきだ、と話を聞けました。

そのネットワークができたのはAriのおかげです。

Ariを見ているとSlushではイベントを見ることよりも、こういうネットワークを築いていくことの重要性を強く感じます。

そう考えるとSlushというイベント自体が、巨大な触媒であるかのように思えます。ブースや会場の構成も、展示スペースよりもコミュニケーションが生まれやすいようにテーブルや椅子が多くなっていることが、その証左だと思います。

色々なところにコミュニケーションスペースがある

Slushで見るべきポイントは、ピッチ以上にコミュニケーションを生み出す仕組みなのではないかと思いました。

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