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2023年も生き残れました。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

今年も残り2日になりました。なんとか今年も一年逃げ切れたとホっとしてます。今月末も無事お給料が出せました。事務所に所属してない野良フリーランスは作曲だけではなく全ての業務を自分でやらないといけません。仕事がなければ自分で取ってこないといけません。営業したからといって仕事になるわけでもないです。固定クライアントと常に仕事してるフリーランス以外は毎年かなりハードだと思います。

来年の2月にはこの仕事はじめて30年になります。一年一年乗り切った結果の積み重ねだと思います。ヒット作に関わったとか、ヒット曲を出したみたいなことに比べるとすごく地味なことですが、長く仕事してきた方こそ、その難しさがわかります。この年数の重みを感じます。

作曲の仕事が天職だって思ったことはないです。音楽の才能があるとも思わないし向いてるとも思わないです。22歳の時にたまたま運よくゲーム業界に入って作曲の仕事をはじめて、コツコツ地味に続けてたから今があるだけです。大学生が就職活動してたまたま入った会社で仕事を覚えて、それを何十年もずっとやってるのと同じ感覚です。才能があるというよりは、その場所にいたから作曲の仕事を続けてる感じ。沢山の危機をなんとか回避して倒れずに続けてます。

さっきググってみたら、「フリーランスの生存率、10年後に残ってるのは1割」って出てきました。この数字が根拠あるものなのかどうか知らないですが、会社もそれくらいの率なんじゃないかなと思います。2000年からフリーランスやってますが、僕が取引してきた会社で倒産しないで残ってる会社はすごく少ないです。会社は残っていても業務の内容がガラっと変わってしまったというケースも大きいです。

今年一年、本当に僕はずっとピンチでした。とにかく仕事の依頼がない….全然依頼がない….。30代の頃はどんどん依頼来てたんです。仕事の資料読むのも大変だし、動いてる仕事の本数も多かったのでスケジュール管理も大変でした。今ではスカスカです。請求書を出した金額を合計するのが怖いくらい….こんな状態でなぜ一年黒字でいけたのか謎です。

9、10、11月のニートみたいな生活はほんとヤバかったです。このまま仕事が入って来なかったら生活どうなる??みたいな。貯金もないので、お金を借りることもチラつきました。一番悲惨なのは、年末年始を案件0で迎えること、そして年明けの予定も0で迎えること。そして入金予定0。8月に仕事した分の支払いはすでに入金済みなわけですし。24年のフリーランス生活でこんな感じの年越しは何度かありました。幸い、偶然にも年明けに仕事が入ってきたので廃業しないで済みました。今回は年に4度の印税に助けられました。合計すると新卒の年収くらいにはなる気がします。

12月に入ってホッとしました。今月に入って仕事がドカドカっと入ってきました。来年2月からのドラマとか、某有名企業の広告系の案件とか、webC系とか。おかげでホっとしました。年越しに手持ちの案件があります。僕のフリーランス人生はめちゃくちゃ不安定です。こんなフラフラな状態でなんとか業界30年です。来年はもう少しいろんな人に求めてもらえるように行動していかないといつか本当に倒れると思います。

今年は本当に印税に助けられました。印税がなかったらとっくの昔にフリーランス廃業してました。ゲーム業界で買取の仕事ばかりやってた20代の僕が「印税もの作らないと死ぬ」って思って違う業界の仕事やりはじめたのは正解でした。昔の自分の思いつきと行動に助けられました。来年は本当に立て直さないとって思ってます。何をしないといけないかを年末年始に考えたいと思ってます。

全体の業績としては最低な一年でしたが、よかったことも沢山あります。前向きに来年を迎えたいので今年の仕事について書いてみます。自己肯定感あげて終わりたいです。

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数日前にXの鍵垢に書いたものをそのまま載せます。

2023年、連ドラ4本放送された。うち3本がテレビ東京。「来世ではちゃんとします3」「何かおかしい2」「推しが上司になりまして」。テレ東のえらい人にも年に3本音楽担当は多いって言われた。ただし2本は去年の制作なので今年の成果ではないですが... 残りの1本は3月に放送された中京テレビの4話もの

ドラマの依頼と制作は、「推しが上司になりまして」「情報解禁前の2024年ドラマ(8話)」の2本。どちらもテレビ東京。ひさしぶりに来世ちゃんのプロデューサー・そぶえさんと仕事することになったのが年末よかったポイント。年跨いで音楽制作します。(7割くらい完成してるけど)

「情報解禁前ドラマ」のおかげで2024年の実績はひとつ大きいのが書けるのでホっとしてます。「毎年ひとつは他人から見てわかりやすくすごい仕事をする」を意識してるので、現在の実績があること・音楽がおもしろいの2点があれば、もし仕事が無くなっても営業でどうにかなる可能性が高いので。

他には、、、群馬の代理店と仕事したことが自分の中ですごく大きく印象に残ってます。ギャラはすごく安かったんだけど「今までこんなクリエイティブなもの作ったことなかったのですごく嬉しいです」って喜んでもらえたのがよかった。なんか「みんなで作ってる!」って感じもよかった笑

年末ギリギリ、変なアイスのCMつくったセカイ監督と知り合って仕事してるのも今年よかったことの一つ。良い出会い

声がかかったのは去年秋だけど、2025年アニメが正式に動き出したのも今年よかった一つ。まだ打ち合わせ2回だけで本格的な音楽制作はまだまだ先だけど、未来にすごく楽しみな案件があるというだけで、無職だった3ヶ月間のメンタルが少し落ち着いてた気がします。これがなかったら絶望な毎日だったと思う

と、こんな感じです。パっと見ると「良い一年」に見える人もいるかもしれませんが、これだけではダメなんです。じじいになっても作曲の仕事は続けてたいので、元気なうちにもっともっと色んな人に知ってもらって、沢山の依頼をもらえるようにならないといけないと思ってます。

あ、書き忘れましたが、一番大きな良い出来事は娘が無事希望の大学に合格したことです。僕としては大学の受験料、入学金、学費、学校に必要なMacの支払いがちゃんとできたことです。2、3月だけで200万円くらい使いましたから….。とりあえずは大学卒業までの3年、ちゃんと仕事続けられるようにすることです。稼ぎがなくなると娘は大学を辞めないといけなくなるからです。自分が貧乏なのは仕方ないですが、人の人生に大きく関わるのでしっかりと働かないといけないですね。

しあさってには2024年になります。来年も僕の危うい作曲家人生をnoteに記録していくので、ぜひ楽しみにしていてください!!フリーランスで働く人たちのヒントになりそうな事がいろいろかければと思ってます。

ということで、今年も最後まで購読してくださりありがとうございました。
みなさん良いお年を!!!


(やっぱりヘッダのゴリラのイラストいまいちなので変えます)


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