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つくった音楽はどんどんSpotifyで配信しておくのがいい。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

宇多田ヒカルが歌番組で「その人がその時に出会ったら新譜だと思ってて」と言ってました。これってサブスク時代になってから言われるようになった言葉な気がするのですが、配信がなかった時からそういう感覚ってなかったですか?

僕が20〜30代の頃は月に30枚くらいCD買ってました。月に10万円くらいタワーレコードにつぎ込んでたのです。とにかく新鮮な気持ちになる音楽が聞きたいというのがCDを買う動機だった気がします。

小学生の頃から「良いメロディー」を探してた僕は、20代の時に大貫妙子の曲を聞き衝撃をうけます。シュガーベイブ『SONGS』の中の曲だったり、ソロアルバム『SUNSHOWER』だったり、今までにヒットチャートの音楽ばかり聴いてた僕には、見たことない斬新な角度の「良いメロディー」に出会い、僕が今まで知ってた世界はなんて狭かったんだって気づきました。『SUNSHOWER』は1977年リリースのアルバムです。僕がはじめて聴いたのは、その20年以上後です。それなのにそのアルバムの中に入ってる曲はどれも斬新で刺激的でした。後にシティポップブームみたいなので括られて令和でも有名な名盤になってます。

僕がつくった「にやけ面、鏡恥ずかし」という曲は、そのあたりの音楽が好きだったから出来た曲です。『いつもぎちゃん、恋をする』に収録。


30代の頃、1965〜1973年くらいの日本の音楽にむちゃくちゃハマってたころがあります。僕が生まれる前の音楽も多かったです。この頃の音楽って今聴くと古臭く感じるものも多いですが、洗練されたオシャレな音楽もありました。当時は誰も知らなかった音楽を発掘してCD化してる人たちがいて、そういうコンピレーションアルバムを夢中で聞きまくってました。NOVO「白い森」は1973年の作品ですが、和製ブラジリアン・グループで、当初の日本の音楽を考えると相当斬新なことやってたんだと思います。セルジオメンデス的な、めちゃくちゃオシャレなサウンドです。

「その人がその時に出会ったら新譜」という感覚は、昔からあると書いたけども大きく違う点は、古い音楽を聴いていても、"それがアリ"なところかなと思います。多様性みたいな話でもあるのかもしれないですが。昔はその時に流行ってる音楽を聴いてないと、「え?そんなのも知らないの?」とか「え?そんな古いもの聞いてるの?もう流行ってないよ」みたいな言われ方することも多かったと思います。もちろん今もそういう風潮が残ってるところもあるだろうけども、数年前にTikTokで「め組のひと」が流行ったこととか考えると、そういう感覚も少なくなってきたと思います。まぁ、「数年前のめ組のひと」もある意味、その時の流行りではあるので、同じように括るのは難しいかもしれませんが。

僕の娘は大学2年生です。音楽が大好きなので、好きな音楽についてよく話します。「パパ、この曲の歌詞すごくいいから聞いて!」ってめちゃすすめてくることも多いです。その中で「スピッツのなんとかって曲、よく聞いてる」って言ってきたので「その曲なんで知ってるの?」って聞いたら、「Spotifyで聞いてたらたまたま流れてきて良い曲だったから自分のプレイリストに入れた」って言ってました。なんか今ならではの感覚ですね。

でまぁ、この記事で何が言いたいかというと、自分がつくった音楽をどんどんとSpotifyなんかで配信しておくと、数年後に誰かが「あれ?この曲よくない?」って見つけてくれて、そのタイミングでブワーーっと新譜リリースしたかのように世間に広がっていく可能性あるなーということです。つくった音楽が勝手に広まっていくなんて、淡い期待、ありもしない未来な感じではありますが、発見してもらうための音楽がオンライン上のどこにもなければ何も起こらないわけで。宝くじは買わないと当たらないみたいな理屈ですね笑

そんなことを思いながら、新鮮な感覚になってもらえるような音楽の制作を今日も少しずつ進めるのでした。早く完成させて聞いてもらいたいです!



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