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今までの仕事で「難しいなぁ、、」って思った依頼内容。どんな曲か想像できますか?

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。先週末、急遽開催したZOOM会、7人くらいの前でいろんな話しました。この有料マガジンでいろんな角度の事を書いてるつもりですが、やっぱり話す方がたくさんの情報量ありますね。テキストじゃ伝えにくい話もありますし。結構みんな真剣に聞いてくれて、結局4時間やってしまいました。

参加者から事前に質問うけてた「ボーカルディレクションについて話が聞きたい」という内容。最初、このお題だけで45分くらい喋り続けました。意外といろいろとあるもんですね。ボーカルがどういう人なのかによってどういう指示を出すのかも違うし、レコーディング中にどういう事を気遣う必要があるかとか、レコーディングの進め方とか、思いつくままにいろいろ話しました。良い歌になるにはボーカリストの実力もありますが、いい歌を引き出すディレクター次第で大きく変わるのですごく大事ですね。

他にも、ディレクターからの「おまかせというオーダー」について話しました。「おまかせで」っていうのに、デモ出ししたらいろいろと修正言われてゲンナリみたいなこと沢山聞くじゃないですか。おまかせと言われてうまくいかない原因についてとか、どう対処するかなど、たくさん話しました。その中で自分で喋ってて、「あー、自分は普段こういう事まで考えてるんだ」って改めて思いました。やりとりするディレクターの先にいるプロデューサーやクライアントのこと。プロジェクト毎に全て座組みが違うので、そこもふまえて対処方法も事前に考えてるということ。デモの出し方やデモを聞かせるタイミング、1stデモの作り方もその時々によって変えてます。たまに、彼らが会社員であるということも考慮に入れたりします。というのも、ディレクターやプロデューサーは常に仕事くれてるクライアントと揉めたくないので、なにかあれば自分が言ってたことをひっくり返して、あっち側についてしまうこともありますし。デモ出しはプレゼンみたいなものですから慎重さが必要な時もあります。この話も個人的には面白かったと思います。聞けた人はラッキーです。

ZOOM会のラストに、noteのサークルでやってる「架空作曲依頼」という、お題に対して音楽を作るという企画についての話がサークルメンバーから出て....

<お題>

0〜20秒     太古の踊り
20〜40秒    100年後のダンスミュージック
20秒ちょうど、一瞬で世界が変わる。

こういうお題を出したのですが、これがなかなか難しいという話になり、僕はこのお題を出した狙いを話しました。100年後のダンスミュージックなんてなんでもいいのです。どんな曲でもいいので「なぜこういう曲調にしたのか」を説明できるようにしてほしいって伝えました。昨日締め切りだったのですが、提出された音源を聴くと人それぞれ面白かったです。どういうことを考えて、どういう表現をしたのか聞いて見たい方は是非サークルに参加して聞いてみてください!

仕事で「100年後のダンスミュージック」という作曲依頼が来る可能性は高いと思います。100年後の世界を描いたドラマや映画、アニメってありそうですし、そこにダンスシーンがあったら「100年後のダンスミュージック」を作ることになります。ただ、その場合、脚本に100年後の世界についてがどうであるかが書かれているので、それを前提に作ることにはなります。今回のお題はそこまで指定してないので自由です。それだけに発想力が必要なのかもしれません。

特に広告系の仕事は「なぜそうしたか?」がかなりシビアです。説明を求められることがあります。「なんとなくこういうのがいいと思って」が通用しません。「楽しい感じの映像なので、楽しい曲にしてみました」ってのが通用しません。

曲がダメだから質問されるんじゃなくて、意味がわからないものは採用できないってことです。意味があると大丈夫なのです。少し慣れてきた頃、なんとなく「面白い」と思って作ったものを、適当に後付けで説明したこともあります。「音楽やりはじめたくらいの若者がイキって作ってみたもののヘタクソすぎてバランスがうまくいってない感じを表現しました」みたいなことを言ったこともあります。納得してくれました。

先日やった広告の仕事では「ゲーム音楽」の定義についてアレコレ話しました。ピコピコはしててほしいけど、ファミコンとかスーファミみたいなレトロゲームではない。今はストリーミングで普通に曲が流せるので、ゲーム音楽というジャンルのくくりはあってないようなものです。(ゲームで使われてるからゲームミュージックみたいな)なので、どういうアプローチをすると「ゲーム音楽」に聞こえるかというのを設計について細かく話しました。

僕は常に「この音がなぜ入ってるか」ってのを説明できるようにしてます。そして説明できるものを作る方が、その作品ならではの音楽になります。それくらい重要なことです。

「曲聞いてください!」って言って持ってくる新人の曲のほとんどが目的が見えないものがすごく多いです。「戦闘曲です」とか「爽やかな日常の曲です」とか、その程度しかないんですね。良い曲作ってる人は、その背景もしっかり見える。誰に届けたいかとか、聞いた人がどう思って欲しいのかとか。もっともっと細かく設定を掘り下げて、それを具体化すると、作るもののクオリティーが上がっていって、良い仕事になるんじゃないかな?と思います。

なんとなくですが、自分の個性を見つけて、それをどう生かすかという作業に似てる気がします。「今しか出来ないこと」「自分にしかできないこと」を見つける時にも役立ちます。「曲のクオリティがあがらなんなー」と思ったら、細かい設定を考えて、必然性ある音色やフレーズにおとしこむ訓練してみてください!

最後に、、、

お題のことを考えてたら、今まで仕事した中で「難しいなぁ、、」って思った依頼内容のことを思い出しました。このお題をもらったら、どういう曲つくりますか?こんなにハードル高いのどうすりゃいいの?って思いました。どれだけ高価な音源持ってても、どれだけ優秀なミュージシャンにお願いできても難しいお題、、、


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