倫知

私の頭の中

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最近の記事

思い出|AM2:00

ふう、ふう、と息を切らしながら登ったそこは、辺り一面を見渡せるとある山の頂上。 上を見上げると、深い藍色の空に白い星が至るところに散りばめられている光景が、めいいっぱい広がっている。 顔を上げたままぐるっと体を半回転させると、今度は街の光の一粒一粒がまとまり、燃えるようにゆらゆらと光っている景色が目に入った。 その光たちは、深夜とは思えないほど、煌々としていた。 ぼんやりその街の光を眺めていると、「最初は暗い方をじっくり見て目を慣らすと、星がはっきり見えるよ」と恋人が

    • オレンジ色の記憶

      先日、1年以上通っている心療内科のカウンセリングで、「常に思考を巡らせてしまって、頭の中が騒がしくて、急に涙が止まらなくなる」とぼやく私に、心理士さんがこう語ってくれた。 「今はただ、目に映るものや聴こえるもの、触れるものに集中してみて。例えば、お風呂に入っている時だったら、自分の体が温まっているな、と感じることに集中するとかね。」 聞いた時は「なかなか難しいですね」と苦笑いを浮かべたが、時間が経って何度かその言葉を繰り返し頭の中で転がしていると、ある記憶が蘇ってきた。

      • 思い出|お惣菜、早起き、公園での朝食

        私は基本的に朝食をとらないタイプだ。 もともと低血圧なこともあって、休日に布団からぬるりと身体を起こすのは基本的にお昼前だったりすることが多い。そこから歯を磨いたり顔を洗ったり目覚ましの一服をしていたりすると、もうお昼の時間になっている。 だから、その日の初めての食事は昼食になることがほとんどだ。 平日は仕事をするためのスイッチとして、歯磨きと洗顔と一服に加えてすぐに化粧を始めるから、朝食を取っている暇がない。そうなると必然的にその日初めての食事をとるのはお昼頃になる。 私

        • 思い出|私がほしかったもの

          先日、私のファビュラスな友人たち4人と着物を着て、浅草の浅草寺へ初詣へ行った。初詣自体は元旦に家族と氏神さまへ、さらに東京に帰ってきてから神田明神に行ったが、その中でも今回の浅草寺への初詣は皆で着物を着て向かうということで、いっとう楽しみなイベントだった。 当日はあいにく小雨が降っていたが、着物を着終わった頃には止んでいた。自分で着物、帯、帯揚げ、帯締め、半襟を選んで着せてもらい、ヘアセットまでしてもらった。ちなみに、帯留めも選ばせてもらえたが私は去年の誕生日に友人のひとり

        思い出|AM2:00

          これから

          2023年。1日1日を這いつくばるように生きていたら、いつの間にか誕生日も終わっていた。お正月も誕生日も、昔は数日前からソワソワするイベントだったのに、今となっては何も感じなくなってしまった。23歳と24歳も、2022年と2023年も、どれも同じように思えて、何も変わらないように感じる。いや、年や年齢が変わったからといって、実際何も変わらないのだ。そう思うようになってしまったのは、ただ単純に自分が社会人になったからという理由だけなのだろうか。 ただ1つ、ここ最近で1番の変化

          これから

          思い出|祖母のこと

          祖母が亡くなってもうすぐで2年が経とうとしている。 祖母のことはずっと書かなければ書かなければと繰り返し思っているうちに、もう2年が過ぎてしまった。時の流れとは恐ろしいものだとひしひしと感じる。 多くの人が一度は経験する近親者の死。 こんな話は巷にごまんと溢れているだろうが、それでも私は当時の記憶をどこかに留めておかなくてはいけないような気がずっとしていた。特に、祖母については。 祖母が亡くなった日のことは今でもよく覚えている。 私は東京に居て、当時行っていたインターン

          思い出|祖母のこと