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写真集:マンネリはF1.0の暴力で吹き飛ばす(栃木県 足利市)

 紅葉の季節ですね。桜と違って紅葉は時間的な余裕があるので、この所平日より土日のほうが忙しい毎日を送っています。それはそれでいいんですが、ここぞとばかりに撮った写真を後から見返した時に、「同じ構図の写真、もう何回も撮ったわ。。。」というマンネリ感に、特に季節モノを撮影する時に悩まされています。

 なので少し遊んでみたり副題に何かを添えて見たり、色々変化球を投げてみるのですが、自然相手だとどうしても限界があります。そんな時にふと思い立って手にしてみたのが、普段街スナップで使っている富士フィルム X-T5とSuper Takumar 50mm F1.4。

 フィルムシミュレーションの色味でももちろん遊べるのですが、ここにViltroxのSpeed Boosterを噛ませることでAPS-C機でありながらほぼフルサイズの画角を実現すると同時に、光量を一段引き上げることができます。元がF1.4なので、なんとF1.0! Leica Noctiluxなら新品で110万円する世界を、8000円+ブースターで体験できてしまいます(嘘)

 Super Takumarのレンズ特性で滲みや収差がすごいのに追加して、ここまで明るいとファインダーを覗いた瞬間に見える世界が違います。柔らかい写りなのに、暴力的なボケ量とほぼ点なのに意外としっかり見えるピント面の対比が印象的で、ほぼ全ての写真を開放か一段絞ったF1.4で撮影しています。X-T5の電子シャッターは1/180000までカバーできるので、NDも不要でした。

 オールドレンズにありがちな少し眠い写りとグルグル・ザワザワなボケ味。今回あえて「どこかで見たことあるヤツ」な写真を目指してみましたが、現行レンズやスマホには無い写りで、逆に新鮮な撮影体験ができました。F1.0でMFってどうなん?と言われることもありますが、ミラーレスカメラのX-T5ならファインダー内でピント位置にズームできるので、思ったより苦ではありません。ボディ内手ぶれ補正も利きますし。

 今回はあまり食指が動きませんでしたが、小型軽量なので街スナップにも最適です。APS-C機の弱点である「画角がちょっと狭い」というのも、ブースターのおかげで解決できてしまいます。オールドレンズは標準が50mmなので、その辺はかなり嬉しい。いざとなれば電子クロップで2倍まで寄れるので、更にお得。


 Speed Boosterは結局のところ後玉の後ろに入れるワイコンなので、画質の低下を気にする人も多いと聞きます。しかし私にとっては「富士フィルム機のフルサイズ化」と「光量1段アップ」で得られる撮影体験の方が貴重だと感じています。ついでにEFマウントとのアダプタも兼ねて、なおかつ電子接点付きでAFにも対応しているので、たまに撒き餌レンズことEF 50mm F1.8とも組み合わせて使っています。

 それにしても写真のマンネリってどうやって抜け出すのが正解なのでしょうね。昔は街に出たりして常に動くものや人を切り取るのが楽しいと感じていたのですが、私が住む地域は山しかないので困っています。せめて海が欲しい。

【撮影情報】
カメラ:富士フィルム X-T5
レンズ:Super Takumar 50mm F1.4
撮影場所:栃木県足利市 織姫神社・鑁阿寺 他
撮影日:2023年12月2日

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