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はるか遠い未来の人へ

前回の投稿で書いたように、先月3月末、私たちはシエナに4日ほど滞在しました。そしてその後、夫の遠縁の叔母が待つフィレンツェへ向かいました。今日はそこで撮った写真を投稿しようと思います。

話はフィレンツェから大きく逸れますが、昨日オンライン・ショップでAugust Sander(1876-1964)の写真集を購入しました。August Sanderは、私が最も好きな写真家の一人です。ポートレートで有名な彼が、第二次大戦中メチャクチャに破壊される前のケルンを撮った写真を集めた本があることを知り、反射的に購入してしまいました。久しぶりの写真集購入です。分厚い写真集なのですが、写真を所蔵している美術館(Kölnisches Stadtmuseum)主体で出版されたものなので、手の届きやすい価格でした。来週水曜日到着予定で、今からワクワクしています。

August Sanderの写真を見ていると、今、目の前にあるものを、デフォルメせず出来るだけ素直に撮っておこうと思います。それらをひっそりインターネットの海に浮かべておいたら、百年後誰かがそれを偶然見つけて、「21世紀初頭の名もなき人は、日々こんな風景を見て暮らしていたんだ」とこの時代に思いを馳せてくれるかもしれません。ちょうど私が今、August Sanderの写真を見て、20世紀初頭のドイツに思いを馳せているように。...そんなことを夢みずにはいられないのです。

私の写真は誰とも知らぬ遥か遠い未来の人へのメッセージであり、そして、写真をインターネットへのせることは、私にとって、たぶん小瓶に詰めたメッセージを海に流すのと同じことなのかもしれません。

なお、今回投稿した写真は、全てRollriflex 2.8F PlanarとIlford HP5 Plusを使用して撮影しました。

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