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スイス紀行 4.

ホテル

今回の旅では、約20年前に1人でエンガディンに来た時と同じホテルに宿泊しました。その時はシングルベットルーム、今回はダブルベットルームでしたが、どちらの窓からも教会の塔が見えました。もしかしたら、20年前に宿泊した部屋の隣の部屋だったのかもしれません。

教会の鐘は、朝も昼も夜も30分おきに時を刻みます。真夜中も例外ではありません。若干ボリュームを落として鳴り続けます。すぐそばで鳴っているのに、不思議とうるさいと感じることはありませんでした。
鐘が鳴り始めると、私はほとんど無意識のうちに数をその数を数え始めます(半時には正時より小さい音でゴンと1回鳴ります)。ですから、部屋にいる限り時計を見る必要はありませんでした。そもそも休暇中なので、分単位で時間を確認する必要などなかったのです。
私が住むドイツの街にはカトリック教会とプロテスタント教会がありますが、どちらも滅多に鐘を鳴らすことがありません。ですから、鐘の音を録音しておけばよかったと思います。私は宗教的人間ではありませんが、この部屋で鐘が鳴る音を聞いていると、不思議とシンシンと心が鎮まっていくのを感じたからです。

山奥のこの村を離れ、1週間が経とうとしています。それでも未だに朝目が覚めた時、ここがあのホテルの部屋だったらいいのになと思います。
来年も9月末にエンガディンへ行きたいと考えています。天気に恵まれない日が何日かあったため、今回積み残したことが沢山あるからです。その時は、やはりこのホテルに泊まろうと思います。部屋番号もメモしておきました。次に予約する時は、同じ部屋をリクエストしてみるつもりです。

付記

今日の写真はすべてRolleiflexという二眼レフカメラとPRO400Hというカラーフィルムで撮影したものです。このフィルムが製造終了して早くも2年半経とうとしています。富士フィルムが製造終了を決定した時にまとめ買いして、今はそれを少しずつ使っています。次第に残りもわずかになってきました。
私がRolleiflexで写真を撮り始めた時、もっぱら使っていたフィルムがこのPRO400Hでした。それだけに思い入れもありますし、このフィルムとRolleiflexで撮った写真のなかには本当に好きなものが何件かあるので、未だにこのフィルムの製造終了は本当に残念に思っています。