見出し画像

胆嚢摘出手術③

_さて。いよいよ手術当日のお話です。

そういえば入院初日になってもまだ自分の手術の時刻を知らなかったのですが、
入院してから聞いてみたら、当日のお昼頃ということでした。

当日は6時台に目が覚めて、朝っぱらから浣腸をされましたw
私は物心ついてからというもの、浣腸をされた記憶がないのでほぼ初めての体験でしたが…(´∀`;)
挿される瞬間は、ちょっぴりコワかったです。

そして朝の8時〜9時頃に、手術着に着替え、点滴を腕に挿されました。
前回の入院時に最初に点滴を挿した時は、手術用のソレよりは細い針だったはずなんですが…
今回の人の方がおそらく…上手かったです( ´ ▽ ` )。
(麻酔科説明で病院に来た時に、ちょっと前回の入院の際の点滴が痛すぎたという話を担当の看護師に話していたからかもしれません…w)
そもそも今回は手術用のゴツい針を、今まで採血・点滴をされてきた時にほぼ毎回『細くてわかりづらい』と言われるこの私の血管に挿すのですから(おまけに色白で余計わかりづらいらしい)、ちょっとは慎重になってもらわないと挿される方としてはたまったもんじゃありません…。
おそらく病棟内でも上手そうな看護師さんが呼ばれてやって来て、針を挿す前にまず血管が浮き出てきやすいように腕をあっためてから、慎重に挿されました。
いやー…前回のアレなんだったんですかっていう…( ´ ▽ ` )…。
いや、今回は無事に済んだからもう良いんですけどね〜…。

どうでも良いんですが、手術着って事前の説明では、トイレとかでうっかり汚れたりするのを防ぐためになるべく手術直前に着替えさせられるって聞いたような…まあいいか。
その日の外科の手術では、私は2番目の順番だったので、ちょっと早めに準備して待機させられる感じなのかなー?とか、
胆嚢にバクダンは抱えてるけど一応身体に不自由も無い患者だし、トイレでそこまで手間かかんないだろうってことなのか…。

そんな訳で手術の予定時間の2時間ほど前には脚の血栓症を防ぐための医療用着圧ソックスまで履かされて、
ロングヘアの髪を二つに分けて緩く三つ編みに結って(仰向けに寝ても問題ないように髪を纏める必要があるので)、
私の手術前の準備は一通り済みました。

あとは手術の時間に呼ばれるのを待つばかり………

………だったのですが。


予定していた時刻が過ぎても一向に呼び出しがかからない(´∀`;)…。
いくらなんでも流石に遅くないか?…と思っていたら、看護師さんがやってきて…。
少し前に急患が運ばれて来て、緊急のオペが入ってしまい、予定より数時間待たなければならなくなった…という事を知らされました。
その事自体は仕方のない事なのでまあ特に気にしなかったのですが…。
手術後の面会を希望している私の母に、手術の予定時刻が延びた事を連絡しないといけなくなり…。

せめてこちらへの知らせがもう少し早くに来ていれば良かったのですが…時既に遅し。
母の携帯にかけても出ず、両親の営む店にかけたら父が出て、今さっきそっちに向かったところだと…。

母はスマホすら満足に使いこなせておらず、おまけにスマホを基本的に鞄の中に突っ込んでいて、車の運転中は一切着信に気づかない人なので_。
(マナーモードにだけは常にしている)

私は自分の手術がいつ始まるのかと、母にはいつ連絡がつくのかという心配をしながら待機していました。

結局、こちらに着いたであろう時間を見計らって電話をかけると、案の定先にかけた時の着信にもまだ気づいていませんでした。

本人はこちらがやきもきしていた事には全く気付かず、じゃあ病院の側にあるファミレスで時間でも潰してるわーと言ってました。

その時には既に時刻は14時前_。
緊急だし長引いてるのかなあ?そろそろ呼ばれるのかも??…と思っていたところに再び看護師さんが現れて、暇そうに待っている私に申し訳なさそうに言いました。
「大変申し訳ないんですが…なんともう一件緊急のオペが入りまして…」

私:「えっΣ(OωO )⁈」

まあまあ珍しいことらしいのですが、外科に立て続けに2件急患のオペが入ったと…。

えーと…私の手術は…今日やってもらえるんですよね(´∀`;)?
…と、思わず心配になって聞きました(笑)。
(結果的に無事この日に手術しました)

その30分ほど後に、主治医の先生がやって来ました。

まあ急患のオペが入って、予定時刻がいくらか延びるのは解るのですが、なぜにこんなに時間が押しているのかと言うと、
まさかの看護師不足でした(´∀`;)。
(この日に限って事情により手術室担当の看護師が2人も不在…)

…そのため、本来なら複数の手術室で並行してオペを行うはずが、一部屋ずつでしか回せないのだと。

そして医師も流石に連続の手術は疲れるので、少し休憩を取るそうで。
あと1時間半ほど待ってね〜と告げられました。

…お昼前ぐらいに予定していた手術が、16時頃か……( ̄∀ ̄;)…。

何だか、朝早くから準備していざ手術と構えていたのが待てど暮らせど自分の番が回って来ない事にすっかり拍子抜けしてしまって。
良くも悪くも、最終的に手術には緊張することなく臨めたと思います。

_16時を過ぎた頃。いよいよ看護師さんに呼び出され、手術室へと向かいました。

生まれて初めて見る、本物の手術室…。
見れるうちに見ておこうと、少しキョロキョロしていました。
タオルで隠されながら手術着を脱ぎ、手術台に仰向けになって酸素マスクを当てられた状態で、深呼吸をして少し喋って…そこで私の意識は途絶えました。


_次に朦朧とした中で目を開けたら、手術が無事に終わった事を知らされながら手術室を出るところでした。
ストレッチャーに寝かされた状態で看護師さんに促され、母の居る方向を見たら母らしき人がボンヤリと見えました。
手術でコンタクトをつけていないせいか、麻酔から覚めたばかりで視界がぼやけているのか、母がどんな表情をしているのかはさっぱり分かりませんでした。
母の方も、微妙に距離があるままで、こちらに近付いてくるでもなく(コロナの対策とかで近寄れないとかもあるかもしれませんが)。
何か言っていたような気もしますが、まだ朦朧とした状態では記憶に残りませんでした。
私の方も、何か声をかけたようなかけてないような…自分でもよく覚えていません。
そのまま私は自分の病室へと運ばれて行ったので、本当に一瞬の面会(?)だったと思います。
私が面会する側だったら、こんな長時間待って会えるのこんな一瞬⁈…と思ったかも。

運ばれている間から病室に着く頃までは、まだ麻酔が少し残っているからか、痛みのような感覚はほぼ感じず、看護師さんともまあまあ普通に雑談を交わしていたように思います。
目覚めてから病室に着くまでの間に、どうやら無事腹腔鏡手術で済んだらしいことを知りました。
ふくらはぎにはいつの間にかフットマッサージの機械が付けられていて、絶えず私の脚を揉みほぐしていました。

手術が終わって目が覚めた頃がだいたい18時半ごろ…。
ここから、夜が明けるまでの長い長い闘いでした…。

麻酔が切れて、身体の内側からの痛みが徐々に湧き上がって来ました。
_というか、麻酔のお陰で感じずに済んでいた本来の痛みの感覚が蘇ってきたと言うべきか…。

看護師さんが話しかけても、だんだん答えるのが苦しく感じて…。

消灯の22時になる頃には、かなりの激痛になっていましたが、ちょうど直前に痛み止めの点滴を入れたばかりなので、ここから2時間は今の状態で頑張れと言われました。

力無く「痛い…」と訴えても、その時の担当看護師は、
「アハハ、眉間にシワ寄ってる〜」
…と言って笑ってました。


消灯で病棟内の灯りが消えて、訴えも空しくそのまま2時間本当に痛み止めの追加もありませんでした。

2時間の間、おそらく30分に一回来ることになっていたであろう看護師が来るたびに精一杯『いたい…』と伝えたのですが…私のつらさは通じなかったようです。

それでも、2時間待ったら追加の痛み止めを入れてもらえるのだと思ってなんとか我慢しました。

2時間後やってきた看護師に尋ねてみたら…

「あと一時間待ってください」

…私に死ねって言ってんのかなーこの人…って本気で殺意が湧きました。
(後で考えると、痛みで朦朧としてて看護師の顔の区別もついてなかったので、最初の人とは別人で、伝達ミスかなんかだったのかもしれませんが…)

我慢して大人しくしてるのがバカらしくなって、4人部屋なのも構わずに、叫んで転げ回りました。
ベッドの左右にある転倒防止用の柵を力任せに揺らして叩いて、呻き声や叫び声を上げないとやってられませんでした。

手術の前の説明では、痛みが強い場合は遠慮なく看護師に伝えてくれたら、追加の薬を入れますって言われていたのに……。

やり場の無い怒りがしました。

そうしていたら、先ほどまであれほど無視されていた私の訴えはあっさりと聞き入れられました。
同じ薬を連続で投与する訳にはいかないので、別の種類の痛み止めを使えないか医師に確認してくると。

私は獣のようにフーッフーッと息をしながら、看護師が戻って来るのを待ちました。

だいたい0時30分を過ぎた頃、別の種類の痛み止めが処方され、流石にすぐには効きませんでしたが、徐々に痛みが和らぐのを感じました。
(そのまますぐに眠れるほどではなかったですけど)

やっと微睡む程度になれたのは、明け方近くの4時半ごろだったと思います。

朝になってから、来る人来る人に、
「昨夜は大変だったそうですね」
…と声をかけられました。
まあ…そうですねとしか言えませんでしたが。

その日のおそらくベテランの担当看護師さんに、やんわりと、痛みを我慢できなかったことを注意されました。
「痛み止めは痛みを完全に失くすものではないからね!」と。

…そんなことわかっとるわい💢

お腹に穴を開けて、小さいとはいえ臓器をひとつ取り出してるんだから、痛まない訳ないし、完全に痛みを感じずに済むともはなから思ってないですけど。
それでも度を超えて痛む時に助けを求めて何が悪いのか。
戦時中の麻酔が足りないとか、そういうどうしようもない状況とかでもないのに…。

入院中に細かいことで思う事は色々ありましたけれど、あの時の事だけは未だにちょっと納得がいきません…。

本当に、一番辛い時間の最中には、本当にその時だけ。
手術を受けた事を後悔しそうになりました。
(ぶっちゃけ胆嚢炎の発作の痛みの方が少しだけマシだと思える程の痛みでした)

つづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?