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【スポーツライター養成コース/5月20日(土)13~17時】講師・栗田シメイさんからメッセージ&仕事の一部を紹介

栗田シメイさんからのメッセージ

スポーツライターの間口は、一昔前よりも確実に広がっています。以前であれば取材現場へのパスを取るのも、テレビ、新聞以外の記者クラブに入っていないフリーランスの人間は一苦労でした。ところが、web媒体の発展により今では取材現場に足を運び記事を書く、ということはそれほど難しい時代ではなくなりました。

つまり、やる気と捉え方を理解すれば未経験でも飛び込める職種ともいえるでしょう。

スポーツライターとして活動する中で、特定のスポーツに特化した取材方法か、幅広い競技に対してアプローチする2つの選択肢があります。私はどちらかといえば後者ですが、ある程度カバーできる範囲が広いと、編集者からの要望にも応えやすく、仕事の幅も広がると経験上感じています。

実際に雑誌やweb、テレビなどでも野球やサッカーといった人気スポーツを取り上げる機会が多く、またそんなオーダーも多いです。ただし、一言に野球やサッカーといっても、取り上げる視点でその記事の方向性は180度異なります。実際に私の仕事での例をあげながら、それをみていこうと思います。

野球

仙台育英の「土台をつくる」監督が語る、東北勢初の甲子園優勝とその後(週刊プレイボーイ)
https://wpb.shueisha.co.jp/news/photo/sports/2022/11/16/117750/ 

夏の甲子園で、東北勢で初の優勝をもたらした仙台育英。仙台育英に関する記事は多いですが、そんな中でも限られた文字量の中で、優勝に至った道筋、そして新チームになった変化、という視点に絞り構成しています。


3年目で開花の予感。中日・根尾 昂が語ったフルスイングを貫く理由(週刊プレイボーイ)
https://wpb.shueisha.co.jp/news/sports/2021/02/24/113089/  

甲子園のスター選手であった根尾昂選手ですが、プロ入り後もその注目度の高さから、その動向に関する記事も多いです。そんな中で、譲れないこだわりや試行錯誤を文中で浮かび上がらせることを表現しました。


「あれだけ怪物ぞろいの1つ下の世代が…」大阪桐蔭“元4番”山本ダンテ武蔵
があえてプロに進まなかった理由「覚悟がようやく生まれた」(Number web)

https://number.bunshun.jp/articles/-/855133    

大阪桐蔭の読み物はキラーコンテンツの1つですが、そんな中でも決して前評判が高くなかった時代の4番打者に注目し、大阪桐蔭で野球をしたゆえに得たもの、失ったものという視点でまとめました。


サッカー

<新時代を担う大器> 中井卓大「レアルに衝撃を与えた才能」(Number)
https://number.bunshun.jp/articles/-/839574  

久保建英選手と並び、日本でも有数の才能と言われていたレアル・マドリードの中井卓大選手。レアル・マドリードの方針もあり、プロ契約までは本人の肉声を拾うことが難しかったなか、彼をよく見てきた人物たちの証言で、その才能と現在地を伝えています。


副大統領の汚職、90%超のインフレ率、40%台の貧困率…アルゼンチン国民がW杯優勝を喜びすぎる「これだけの理由」(文春オンライン)
https://bunshun.jp/articles/-/59880


世界のサッカー界を激変させる中東「国家主導型選手養成機関」の実態(現代ビジネス)
https://gendai.media/articles/-/63827 


サッカー界に地殻変動を起こす中東のオイルマネー(Foresight)
https://www.fsight.jp/articles/-/49377 


なんと50人もの日本人選手が在籍しているタイリーグの「実態」(Sportiva)
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/wfootball/2015/09/06/50/ 

サッカーという競技は、国民性が反映されやすい競技であり、大きなお金が動くスポーツでもあります。そのため私は、文化人類学的な要素も強く、そこに面白さを感じている部分もあります。

そんなサッカーという競技を文化的や側面や、土地柄を反映しつつ、いかにサッカーという競技がその国に影響を与えたか、ということがテーマとなっています。W杯優勝後のアルゼンチン、オイルマネーで湧き世界の中心地となりつつある中東のサッカー事情、黎明期のJリーグのような熱を持ったタイリーグなど、単純なインタビュー記事ではなくても、見せ方次第で違う角度から競技を伝えることを意識した記事です。


卓球

早田ひなは新たな武器を手に入れた。苦悩の1年を経て才能が開花(Sportiva)
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/otherballgame/other/2020/01/23/post/  


石川佳純か、平野美宇か? 苦悩、覚醒、涙の4年間
https://real-sports.jp/page/articles/334678386750260476 REAL SPORTS

現在の女子卓球は日本史上最強との呼声も高いほどレベルが上がっています。そんな中で、伊藤美誠選手、平野美宇選手と同世代の早田ひな選手が、なぜ爆発的な成長を遂げられたか。

それを本人の言葉を最低限使いながら、その人間性に主点をおき構成しています。また、過酷な五輪の代表枠争いの舞台裏、それぞれの想いが伝わる内容にしました。


ボクシング

33歳元Jリーガーが重量級プロボクサーに転身…野洲の衝撃、10年前の挫折、リベリアから亡命「やっと燃え尽きる場所が見つかった」(Number web)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847931


井上尚弥と同門、大橋会長も太鼓判。“気弱なアンディ”が世界に近づく。( Number web)
https://number.bunshun.jp/articles/-/842670

ボクシングという競技は、活字との相性が非常にいいスポーツです。井上尚弥選手が所属することでも知られる大橋ジムの2人の記事は、アメリカ、リベリアにルーツを持つ2人のバックボーンや、競技に命をかけているというその強い想い、ハーフアスリートとしての生き様を伝えることを意識しています。


その他スポーツも、編集者と相談しながら、主点を決めてそこを掘り下げる中で、いかに本人の人柄や本質的な部分をを伝えるかが、スポーツライディングの醍醐味だと思います。

その中で重要なことは、競技の知識よりも、いかにその人の面白い部分、話したい部分を聞き出すかが記事を書く上で一番大切なことでもあります。以下の競技は、私自身も特別詳しいわけではありませんが、そんな中でも記事は作れる、という一つの参考例としてあげておきます。


総合格闘技

五味隆典42歳、尽きない格闘技への情熱とたった1つの心残り メイウェザーとも闘いたい?(Number web)
https://number.bunshun.jp/articles/-/845907 


バレー

28年ぶりの快挙!エース木村沙織の目に涙(FRIDAY)
https://friday.gold/article/35221


モータースポーツ

篠塚建次郎「サラリーマンドライバー」がサハラを疾走!(FRIDAY)
https://friday.gold/article/35050


体操

一夜にしてスーパースターになった 池谷幸雄&西川大輔「清風高校生コンビ」(FRIDAY)
https://friday.gold/article/29814


さいごに

アスリートといっても十人十色で、言葉が強いビッグマウスのような人や、あえて口数を少なくしている職人肌のような選手もいます。この仕事で大切なことはいかにその人のコアの部分を描くかということ。情景描写や、周辺の人物の言葉も、そのための手段や技術です。

これは私見ですがスポーツを書きたい、スポーツを取材したいという人にとってこれからの時代一番大切なのは、技術や知識よりも、いかにスポーツを捉えるか、という考え方の部分だと思います。本講義では、有名スポーツ媒体の編集者と一緒にスポーツライターとしての基本的な考え方や大切にすべきことを伝えていく講義に出来ればと考えています。


スポーツライター養成コースの詳細

講師:栗田シメイ
日時:5月20日(土)13時開始~17時終了
受講方法:新宿の教室での受講&オンライン受講(Zoom使用予定)
受講料:5,500円(税込)
※超有名スポーツメディアの編集者もゲストで登壇します

講座詳細&お申込み
https://pluto-writerschool.net/p/kurita-01


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