移動販売・パン屋さん
移動販売・パン屋さん
私の住んでいる街に、週に何回か、パン屋さんがやってきます。軽トラックに香ばしいパンの香りをのせ、軽やかな曲が流れてくるのです。
この前、たまたま平日が休みだったので、昼下がり、この移動販売・パン屋さんの存在を知ってしまったのです。そして「あんパン」を2つ買いました。お値段は一般的なものと変わらず、大きさも普通。
でもなんなのかしら、このウキウキ感は。町なかとか駅ナカとかによくある、お客がセルフで、買いたいパンを選んで、ハサミではさんでお盆に載せ、会計するっていうアレ。あのシステムも楽しいのですが、荷台がちっちゃなショーケースになっているコレも、とても愉快なのです。
自然と人が集まり、何気ない世間話が始まる。もちろん、運転席から降りてきたお兄さんとも、そして、パンとは関係なく、おばちゃん同士も。きっとほとんどがリピーターなんだろうな。
「えーっと、何がいいかなあ、これ、何、入ってるんですか?」なぁんて、口走ってしまっている自分に気がつく。これだよ。これが、普通のお買い物と違う感覚なんだなあ。
コンビニなんかで買い物するとき、レジの人と全然しゃべらなくても済んでしまいます。これが最近のフツウです。移動販売・パン屋さんでは、品定めから購入決定・発注まで、そしてもちろん最後の「ありがとう」のひと言まで、誰もが楽しそうにしゃべっているのです。
さて、なぜあんパンを「2つ」買ったかというと…。あんパンが私の好物だから、そして、続けての2つでも、飽きずにおいしく食べられるあんパンかかしら、という、オリジナルな商品テストを試みるためです。もちろん、買ったあんパンは花まる合格です。
そんなことよりも、「このあんパン、おいしいねっ」とおしゃべりしながら2人でいっしょに食べるため、みたいなステキな理由があってもよかったのかもね。
(やすだ)(初出は2009年11月26日)
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